DXコンサルの計画的な活用でDX推進を加速させる

さまざまな業種、業界においてDX推進への取り組みが加速されています。大手企業はもちろんのこと、中小企業においてもDX推進は重要です。しかし、資金的にも人材的にも思うようにできない企業にとっては、DX推進の重要性がわかっているだけに経営課題として大きな負担でもあります。こうした状況のなか注目されているのがDXコンサルティング会社です。今回はDXコンサルの内容やどんなコンサルティング会社があるのか、選ぶときのポイントなどメリットデメリットも含め確認していきましょう。

DX推進の課題

多くの企業がDX推進を図り、さまざまな取り組みを実施しています。一方で、DXの取り組みが途中で止まってしまった、あるいは成果がみえないといった状態の企業も少なくありません。DX推進がうまくいかない原因はいくつかありますが、主に次の課題が挙げられます。

DX推進に取り組みたいけれど、何から手を付けたらよいのかわからない

何から手を付ければよいのかわからないと感じる状況の背景には、システムの課題が潜んでいる場合もあります。長年使い続けてきたシステムがレガシーシステムとなり、更新ができないことに加え、必要に応じてその都度システムをカスタマイズしてきたことにより、新システムへの入れ替えをどのように進めていくのか、進め方がわからないといった問題が生じていると考えられます。

デジタルツールを導入したけれど使いこなせない

新しくデジタルツールを導入して業務の効率化を図ろうとしても、導入したシステムが使いこなせず、結局、業務に負担がかかってしまうケースでは、人材面での課題が隠れているかもしれません。

会社全体においてITリテラシーが低い、あるいは、各担当部署においてデジタルツールを導入し使えるように指導できる人材がいないという状況も考えられます。

デジタル化はしたけれど具体的な業務改革ができない

デジタル化は進んでいるけれど、業務負担の軽減や効率化が実感できていないというケースにおいては、適切なデジタルツールが導入できていなかった場合や、IT人材の不足が考えられます。

DXがうまくいかない原因や解決策についての詳細は次の記事が参考になります。

DXを単なるIT化で終わられないために。失敗例から成功のカギを探る

DXコンサルにできること

DXを成功させるためには、目標設定、DX推進プロセスの策定、全社における意識の統一、効果の評価と改善といった段階を経る必要があります。しかし、取り組めばすぐに達成できるものではなく、継続的に評価と改善を繰り返していかなくてはなりません。DX推進においてはデジタル化を進め、ツールを導入し、そのツールを使いこなす必要があります。こうした取り組みには、専門的な知識と技術が必要なものもあります。そのためにはITスキルがあり、社内の業務を理解しているDX人材が不可欠ですが、すべて社内で対応するのは難しいかもしれません。

そういった環境が整っていない企業にとって、DX推進をサポートしてくれるコンサルティング会社にサポートを依頼することは、選択肢のひとつとなるでしょう。

では、具体的にDXのコンサルティング会社とはどういった会社なのでしょうか。

DXコンサルティング会社とは

さまざまな分野でコンサルティング業務を担う会社があります。そもそもコンサルタントというのは、依頼主が抱える課題を解決するために、最適な方法を提案し、実施するためのサポートをします。コンサルタントにはいくつか種類がありますが、詳細は後述することにして、DXコンサルティング会社が対応できる内容について見ておきましょう。

DXコンサルティング会社が対応できるもの

DXコンサルティング会社は依頼主の企業がビジネス価値を高めるためのサポートをします。例えば、業務の現状を把握、課題を洗い出し、DX推進戦略の策定、実施するためのプロセスを提案します。さらに、具体的なシステムの選択など必要に応じて対応します。

DXを推進するうえで生じる、数々の課題解決に対応できるといえるでしょう。

しかし、言い換えれば、「これをサポートしてほしい」と明確に依頼ができない状態では、DXコンサルティング会社に依頼しても思うような成果がでないおそれもあります。

上記でも確認したように、 DX推進の課題になっているものはいくつもあり、それぞれが複雑に関係しています。まず、自社の課題を確認し、どういった状態を目指したいのかゴールを明確 にしておきましょう。

DXコンサルティング会社の選び方

DXコンサルティング会社にサポートを依頼する際には、まず何が課題で、何をサポートしてほしいのかを洗い出しておきましょう。そのうえで、以下のポイントを意識しながら、DXコンサルティング会社を選びましょう。

DXコンサルティング会社の得意分野は何か

DXコンサルティング会社ごとに得意とする領域が異なります。 システムの刷新に強いコンサルティング会社なのか、サービスやプロダクトに関するDXを得意としているコンサルティング会社なのかを見極めます。

DX推進の進め方が自社にあっているのか

DXの進め方についても、自社に適しているかを確認しましょう。例えば、定期的な会議や個別のミーティングを開きながら伴走する形でDXを進めるコンサルティング会社なのか、プロジェクトとして指導的な立場で計画に沿った進め方をするのかによっても、自社の企業文化や従業員の意識によってうまくいかないおそれもあります。

DXコンサルを依頼するメリット・デメリット

自社内のリソースを活用してDXを推進したがうまく成果が得られなかった場合や、進め方がわからないといったケースでは、DXコンサルティング会社にサポートを依頼するのが効果的です。しかし、DXコンサルティング会社を活用することには、メリットもデメリットもあることを理解しておきましょう。

メリット

コンサルティング会社には経験と知識があるため、 滞っていたDX推進が順調に進み、成果が実感できる ようになるというメリットがあります。

また、デジタルツールの導入やシステムの入れ替えといった作業においても、 業務に適したツールや使いやすいツールを選択してもらえる 、というのもメリットです。

導入したツールの使い方やシステムの保守、運用などもサポートしてもらえるのは、社内業務が増えることなく、環境改善ができる ので、大きなメリットだといえるでしょう。

最近注目されているAIやIoTの導入についても、専門知識のあるコンサルティング会社に依頼すれば、社内に専門知識のある従業員がいなくても、導入可能です。

デメリット

一方、DXコンサルティング会社を活用するときのデメリットは次のような点が考えられます。

DXは単なるIT化ではないので、ビジネスモデルの改革や新しい価値の創出を成し遂げるには、自社のビジネスを理解していることが成功のカギです。つまり、DX推進をサポートしてもらうDXコンサルティング会社にも、自社のビジネスを理解してもらう必要があるということです。

言い換えれば、 自社のビジネスを十分に理解してもらえないと、想定外な結果がでる ことも考えられます。

また、 DX推進には全社の意識統一や一丸となった取り組みが欠かせませんが、DXコンサルティング会社に依頼するとなると、「おまかせ」しておけばよい、という意識になりやすくなります。 そうなると、部署の連携がスムーズにいかなくなるおそれもでてきます。

さらに、DX推進のプロセスや進め方についてのノウハウが自社内に残らないという点も大きなデメリットといえます。

DXコンサルティングをＮＴＴデータに依頼する場合：アプリやシステム開発にも経験豊富。3つの視点でDX課題を解決

具体的にDXコンサルティングを依頼するケースとしてＮＴＴデータの場合を紹介しましょう。

ＮＴＴデータがDXコンサルティングの対象としている事業種は小売り、モビリティ、医薬、食品など多種に渡ります。それぞれの企業が抱えるDX推進の課題に対して、専門的な知識を持った担当者が業界の垣根を越えた本格的なDX推進に向けたサービスを提供しています。

具体的には次の3つを軸に進めます。

DXのロードマップを作成「DXグランドデザインアプローチ」

AIやデータ活用で業務変革を目指す「データドリブンアプローチ」

サービスやビジネスの価値を再定義して、新たな価値を創造できる組織を目指す「ビジネスプロセス検証アプローチ」

例えば、経営管理に対するDXコンサルティング事例では、データドリブンでの経営管理オペレーションの構想策定から、デジタルアセット化、定着化までをワンストップで支援しています。

▼ 「経営管理DXコンサルティング」の詳細

経営管理DXコンサルティング | ＮＴＴデータ - NTT DATA

まとめ： 計画的に活用すれば、DX成功への最適解にもなるDXコンサル

DXはビジネスモデルの変革や新しい価値創造のために企業文化や体制を変革し、組織力を強化していくための取り組みです。成功までには、推進するための戦略を策定し、取り組みのプロセスを考え、中長期的な視点で実行していく必要があります。しかし、 時間もコストも、また専門知識や技術も必要になるため、自社内だけでは対応できないケースもでてくるでしょう。そうしたときに効果的なのがDXコンサルティング会社の活用です。

DX推進が加速され、業務改革もスムーズに実現できる可能性が高まります。社内での業務負担が増えることなく、DXが実現できると期待できます。一方で、コンサルティング会社に任せてしまうと、自社内にノウハウが蓄積されず、新しい展開が自社だけではできない状況におちいるおそれもあります。

効果的で専門知識や技術の活用ができるDXコンサルですが、メリットもデメリットも理解して自社に適した方法で活用するようにしましょう。