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構想から定着までデータ活用の道のり -お客様と共に歩むNTTデータ関西

 |  インタビュー

世の中に飛び交う大量のデータを収集・蓄積して分析を行い、その結果に基づいた経営上の意思決定をする「データドリブン経営」。2010年頃から広がり出したこの経営手法は、IT技術の普及と発展によって急速に広がり、もはや企業経営において不可欠なものとなりつつあります。

一方で、2024年1月に調査会社のGartnerが発表した報告に「データ活用で全社的に十分な成果を獲得している日本企業は3%にとどまる」とあるように、データドリブン経営(データ活用)の実践に着手しているものの、なかなか思うような成果が上がらず、頭を抱えている企業も少なくないようです。

そこで今回、データドリブン経営(データ活用)で結果が上がらない理由やその解決策について、 「データ分析・活用ソリューション」 を提供しているNTTデータ関西第三法人事業部Data&Intelligence担当部長の中村英也と担当課長の辻谷優子にインタビューしました。

参考:Gartner Nersroom 2024年1月29日

「Gartner、日本企業のデータ活用に関する最新の調査結果を発表 - データ活用で全社的に十分な成果を獲得している日本企業は3%にとどまる」

インタビューに答えた方

中村英也 株式会社NTTデータ関西 第三法人事業部 Data&Intelligence担当部長

中村 英也 (なかむら ひでや)

株式会社NTTデータ関西 第三法人事業部 Data&Intelligence担当部長
オープン系システム開発、技術サポート部門(DBスペシャリスト)、システム基盤構築を経て、データ連携/活用基盤の構想策定から設計・構築を経験。現在は、データ活用ビジネスのビジネス責任者として従事。

辻谷優子 株式会社NTTデータ関西 第三法人事業部 Data&Intelligence担当課長

辻谷 優子 (つじたに ゆうこ)

株式会社NTTデータ関西 第三法人事業部 Data&Intelligence担当課長
文教・教育機関向けのシステム開発、新規営業、企画推進担当などを経て、現在はData&Intelligence担当課長に従事。株式会社NTTデータ関西が提供するデータ分析・活用ソリューションに関する提案やサポートを担当。

何のためにデータを活用するのかが不明瞭では成果は上がらない

データ活用で成果が上がらない理由として何が考えられますか?

中村: 一番の理由は、「何のためにデータ活用するか」が不明瞭なまま、データドリブン経営を実践しようとしているからだと考えています。

データ活用の分野は、ここ数年で大きく進化しました。私たちが所属する第三法人事業部Data&Intelligence担当は2020年4月に誕生しました。設立当時と比較すると、データ活用に対するお客様の認識もかなりの変化が生じています。

設立当時は、ご相談をいただく内容も「データを集めてダッシュボードで可視化する」までが主流でした。最近はデータ活用に対する気運は飛躍的に高まっており、ご相談いただく内容も多岐にわたっています。中でも、特に増えていると感じているのは「生成AIの活用」に関するご相談です。

一方で、データ分析や生成AIの活用自体が目的となってしまっている、そんなケースも増えてきているように感じています。

辻谷: 中期経営計画などの目標に「データドリブン経営の実践」や「生成AIの積極的な利用」が掲げられているという理由で、データ活用やAIの利用を検討するケースもあると聞きます。特にAIに関しては、ここ数年の進化が顕著なため、流れに乗り遅れまいと導入を検討する傾向があるように感じています。

データ分析や生成AIの活用は手段に過ぎません。何のためにデータ分析を行うのか、何のために生成AIを利用するのか、その目的が不明確なまま手段だけ導入してもデータ活用の効果は期待できません。

データ活用に欠かせないビジネス軸とシステム軸とは?

データ活用において目的が不明瞭な状態を避けるためには、どうすればよいでしょう?

中村: 私たちは、データ活用には2本の軸が必要だと考えています。1本目はビジネスで何を達成するためにデータ活用をするのかという「ビジネス軸」、2本目はそれを実現するために必要な基盤やツールは何かという「システム軸」です。言い換えれば、ビジネス軸は目的でありシステム軸は手段です。

目的となるビジネス軸が決まらなければ、手段であるシステム軸も定まりません。一方、ビジネス軸が明確になれば、最適なシステム軸の方向性も見えてきます。ですから、まずは、明確なビジネス軸を組み立てること。ここが1番のポイントです。

辻谷: ビジネス軸はお客様の経営方針にも関わる部分でもあるので、上層部の方々のご検討が必要となります。一方、システム軸はご担当者様と私たちのようなSIer側でコミュニケーションを重ねながら組み立てていきます。

初めてデータ活用に取り組む場合は、どちらの軸についても「何をどんな手順で組み立てていくべきかわからない」という状況がよくあります。そのような場合には、私たちが蓄積した知識や過去の経験から、サンプルとなるロードマップをご提案することもできます。

ただ、実際にはやってみなければわからないことも多く、なかなか正解となるロードマップが見つからないケースも少なくありません。そうなった場合は、お客様と一緒になって悩み、意見を出し合い、試行錯誤を繰り返し、解決策を探ることになります。

構想段階からデータ活用が定着するまで伴走を続けるスタイルに高い評価

お客様がNTTデータ関西の「データ分析・活用ソリューション」を選ぶ主な理由を教えてください。

中村: お客様に選んでいただける理由には、NTTデータ関西の事業規模やネームバリュー、そしてNTTデータグループ全体が連携してお客様に価値をご提供できる点などが考えられます。扱っているツールやパッケージも多いので、ツール導入の検討からお声がけいただくケースもあります。これは、さまざまな分野でサービスを提供しているNTTデータ関西、ひいてはNTTデータグループ全体の強みだと思っています。

ですがそれ以上に、構想段階からデータ基盤の構築、そしてデータ活用による目的達成が定着するまで、お客様に寄り添い伴走を続けるスタイルに、高い評価をいただいていると自負しています。

辻谷: 私たちが提供しているサービスは、単にシステムやツールを提供して終わりというものではありません。どちらかといえば、コンサルティングのようなお客様を支援する業務の方が、よりウエイトが高いように感じています。ただ個人的には、コンサルタントというと少々偉そうな感じがしてしまいますので、一緒になって考えるという点からも「信頼できるパートナー」でありたいと思っています。

NTTデータ関西が提供するデータ分析・活用ソリューションのサービス領域

NTTデータ関西が提供するデータ分析・活用ソリューションのサービス領域

NTTデータ関西では、データ分析・活用構想を策定する「コンサル領域」、さまざまなソリューションの組み合わせでデータ分析基盤を提供する「インテグレーション領域」、データ活用・定着を支援する「KPO領域」の、3つの領域を提供しています。

データ活用を成功に導く2つの秘訣とは

今後、新たにデータ活用を進めたいと考えている方に向けてお伝えしたいことはありますか?

中村: まずひとつお伝えしたい点は、「任せるべきところは任せる」ことです。

近年、ローコードやノーコードの波が押し寄せてきていることもあり、開発の内製化を検討されているケースが増えています。ただ、データ活用のシステム軸の構築には、やることや考えることが非常に多く、通常の業務と並行して推進することはかなり難しいと感じています。

たとえば、システム軸には、「データを収集・蓄積する基盤」「データを活用(分析)する基盤」「使用するツール」「活用する人材と組織」の4つがすべて揃う必要があります。しかし、これらがすべて揃っているケースは稀です。これらを全社レベルで揃えるだけでも、かなりの労力がかかります。

特に、データの収集・蓄積基盤の構築は、大量の人的リソースが必要な段階もあります。無理に内製化を進めるよりも、私たちのような外部の専門家に任せた方が、結果的に時間もかからず、いいものができあがります。

辻谷: データ活用を成功させる手段としてひとつお勧めしたいのが、小さな成功体験を積み上げることです。

お客様とお話をしていると、多くの方々が「過去の導入事例」情報の提供をご希望されます。確かに、導入事例はひとつの判断材料にはなります。ただ、他社事例の情報がどれだけ自社に当てはまるかは未知数です。100の事例より、ひとつの小さな実践の方が、はるかに意味があります。もし、「何をどうすればいいかわからない」状態であるのなら、まずは小さな単位でのデータ活用を実践して、知識と経験を積んでみてください。

全社的なレベルでデータドリブン経営を実践しようとすると、ビジネス軸の策定にもシステム軸の構築にも、大変な手間と労力、そしてコストがかかります。しかし、いち部署、いち事業部レベルであれば、ビジネス軸も短期間で定めることが可能です。さらに言えば、このケースは成功体験を積むことが目的なので、必ずしもビジネス軸が定まっている必要はありません。システム軸も、スモールスタートが可能なクラウド基盤などを利用すれば、短期間かつ安価で構築が可能です。

小さな単位の成功体験を積み上げていけば、データ活用に対する社内の理解も意識も高まっていきます。データ活用で何ができるのか、どう進めていけばいいのかが体験できれば、全社的なデータ活用のロードマップも見えてきます。

お客様の成長を「支える」のではなく、半歩先で「先導する」

データ活用の未来はどのようになるとお考えですか?また、Data&Intelligence担当として、その未来に対してどのように向き合おうとお思いですか?

辻谷: 正直なところ、この先どうなるのかはまったく予想ができません。特にAIについては、5年も経てば驚くような進化を遂げる可能性もあり得ます。ですから、私たちとしては常に情報収集を怠らず、臨機応変にやっていくことが重要となります。

ただひとつ、これだけは言えます。どれだけ進化してもAIは人の代わりにはなりません。人の作業を助けることはできますが、寄り添うことはできません。また、AIが常に正解を導き出すとも限りません。間違ったデータで学べば、間違った答えが導き出されます。

NTTデータ関西には、さまざまな分野に向けた技術やサービスがありますし、間違いなく強みではあります。ですが、私たちが提供するサービスの本質は、技術やサービスではなく、人ならではの部分にこそあると考えています。お客様にとってよきパートナーであり続けることを、今後も肝に銘じていきたいです。

中村: Data&Intelligence担当が設立される以前は、お客様がご要望するシステムの仕組みを提供することがメインでした。ですがこれからは、お客様からご相談いただいた課題のみならず、お客様自身も気がついていない課題を見つけ出し、解決策を模索していくスタイルに変わっていくことでしょう。

私たちのミッションは、データ活用でお客様のビジネスを成長に導くことです。ですがそれは、後ろから支えるのではなく、半歩先で先導していく存在であるべきだと考えています。

お客様を先導するには、当然ですが私たち自身がお客様以上に学び、成長を続けなければなりません。お客様が成長すれば私たちも成長する。私たちが成長すれば、お客様も成長する。そんなWin-Winの関係を築き続けることが私たちの願いであり、目指すべき目標です。

NTTデータ関西では、データドリブン経営の実現に向けたデータ分析・活用基盤の構想策定、構築・運用から全社定着まで支援する「データ分析・活用ソリューション」を提供しています。

▼ データ分析・活用ソリューションの詳細について

データ分析・活用ソリューション

技術の進歩が激しいデータ活用の分野ではありますが、最終的に重視すべきは人としての関わりであり、人としてお客様に寄り添うためにも「Data&Intelligence担当自身の成長が不可欠」であるということなのですね。今後、AIを含めた技術の進化によって、データ活用の分野がどのように変化していくのか、それに人としてどう関わっていくのかが大切になりそうです。