「共に成長し続ける」ことで培ってきた30年以上の絆―NTTデータ関西と大手生命保険会社のロングタームリレーション
私たちはお客様との間に「ロングターム・リレーションシップ~長期にわたる揺るぎない関係性」を築き上げお客様の夢や望みを実現します――NTTデータグループがビジョンとして掲げる内容のひとつです。もちろんそこには、関係性を揺るぎないものにするための互いへの信頼、さらにそれを生み出す経験やスキル、仕事に取り組む姿勢といった強みが欠かせません。
今回は、NTTデータ関西 金融事業部部長の薮谷、同事業部企画担当課長の堀毛にインタビューしました。30年以上にわたりお取引が続いている大手生命保険会社様のプロジェクトに注目し、長期にわたる揺るぎない関係性を築くに至ったNTTデータ関西ならではの強みについて、詳しく話してもらいました。
インタビューに答えた方
薮谷 克宜 (やぶたに かつよし)
株式会社NTTデータ関西 金融事業部部長。主に保険会社様のシステム開発を請け負う「保険領域」において、大手生命保険会社様のビジネス責任者を担当
堀毛 雄一 (ほりけ ゆういち)
株式会社NTTデータ関西 金融事業部企画担当課長。企画担当課長としてお客様のビジネスを支援する中で、2022年春まで薮谷さんと同じ保険会社様を担当
目次
チームぐるみの育成とスキルチェンジを推進し、質の高い開発環境を維持
今回お話しいただく大手生命保険会社様のプロジェクトは、かなりの長期案件だと聞いています。
薮谷: はい。もう30年以上になりまして、お客さまが大規模基幹システムをスタートさせるところからプロジェクトに携わっています。システムの保守維持はもちろん、保険商品の開発に合わせて新しいシステムを増築したりする形で、お客様と共に社内外のメンバーを育ててきました。
お客さまと30年以上の長期的な関係を築いてこられた、その秘訣はどこにあると感じていますか?
堀毛: 若手への技術継承ですね。それも、年々重要度が増していると感じています。30年前の生命保険業界は「大規模基幹システム」と呼ばれるシステムですら、それほどの規模ではありませんでした。それが、この30年の間にトレンドとして保険商品の複雑化が進み、その複雑な仕様をシステムに実装していくうちに、規模が増大していったのです。例えば、従来の生命保険商品は死亡保障が主だったのに対し、現在はご存命のうちに保険金をお支払いする商品も多くなっている。これだけでも、システムが複雑になるのはお分かりいただけると思います。この30年、こうした複雑な仕様をトラブルなく実装していくには、チームとしての技術や知識の共有が欠かせませんでした。
生命保険商品や、それに関連するシステムの複雑化はこれからも進んでいくのでしょうか?
薮谷: 実はコロナ禍で多くのビジネスが大きく転換したように、生命保険のビジネスモデルや、関連するシステムも転換期に差し掛かっているのです。新しい保険商品を従来より短いタームでいち早くリリースしていく、保険料もこれまで以上に抑えていく、そういったやり方が求められつつあります。
基幹システムの動かし方についても、お客様自身が新たな方向性にチャレンジしようとされている。我々もそこに協力する体制を作っていきたいですし、例えば新しい仕組みを提案するといったようなことでも貢献したいと考えています。
こうした転換期を迎えて、我々に求められるスキルも変わってきています。我々がスキルチェンジをすることで、お客様の課題解決につなげていきたいですね。やはり、我々に期待していただいているのは業務知識を伴った開発力ですので。
お客さまの考え方をしっかり理解し、同じ目線で課題を乗り越えていく
「求められるスキルが変わることで、そのスキルを持つ他社へリプレースされる」といった現場の例も耳にしますが……
薮谷: 長い付き合いだからと同じやり方を繰り返すのでも、スキルがマッチしないからと投げ出すのでもなく、「お客さまの考え方をしっかり理解し、同じ目線で課題を乗り越えていく」。もちろん、スキルチェンジの努力、助力もお互い惜しまない。これだけの信頼関係を築くのは、一朝一夕では難しいかもしれません。もちろん私たちだけでなく、諸先輩方がずっとやってきたことですけれども、お客さまから直接、「今後さらなる開発体制強化に向けて、一体となり体制強化の検討、人財育成について協力し合いましょう」というお話をいただきました。責任者として冥利に尽きましたね
グループ企業それぞれの強みを結集させた「NTTデータの力強さ」
スキルのみに気を取られず、「誰が手掛けるか」を大切にしているところは重要なポイントですね。他に「NTTデータ関西ならではの強み」だと感じる点はどのようなところでしょうか。
薮谷: 自社に留まらず、NTTデータグループとしてご協力できることが多い点はNTTデータ関西ならではかもしれませんね。例えば生命保険会社様全体としてはDX戦略や、今後のビジネスの進め方に課題をお持ちですので、NTTデータと協力してグループが持っている技術力を投入し、もっと大きなビジネス基盤としてのお話をさせていただく。情報システムのセクションでは、保険の業務知識、システム開発力といったところをお求めですので、我々NTTデータ関西がお支えする、といった風に役割を分担できる。しかし、NTTデータのリソースが足りない部分があれば我々も一緒になってやりますし、我々の方もNTTデータと協力して、力を借りながら開発していくこともできる。お互いに助け合いながら、いわゆる「1社で提供できる」以上のご提案ができますから。
ちなみに、開発力強化の一環として、NTTデータグループの地域会社との協業検討も行っています。北は北海道から九州まで地域会社がある中で、保険の業務知識を有した地域会社と一丸となって開発を進めていく。これぞまさにNTTデータグループの力強さといえるものかと。
長年来の守りを固めつつ、“打って出る”時には技術力で下支えを
今後、この生命保険会社様とどのように関係を深めていきたいと考えていますか?
堀毛: 我々が主に取り扱うのが「個人向けの生命保険」のシステム開発だというところには、ある種の特殊性があると感じています。個人で加入する生命保険はお客様の人生に関わるものであり、ご契約期間が数十年に及ぶことも珍しくありません。そのご契約情報を預かるシステムは、もちろん途中で急にやめるわけにはいきませんし、むしろ数十年間、常に高い品質をもって情報を守り続けることが求められている。お客様の一生ものの情報をお守りしているということは、自分たちにとって一番のやりがいですし、ご期待に応え続けたいですね。
薮谷: 保険業界はまさに今転換期。先にお話した要素以外にも、例えば少子高齢化で若者の保険加入数が伸び悩んでいたり、金利低迷で資産運用も低調であったり、異業種からの参入で競合が増えたりして、今までのやり方から大きく変わっていく時期なのです。そこで生命保険会社様が新しいテクノロジーを取り入れ飛躍を目指していくのに対し、我々もスキルを磨き、技術力でしっかり下支えさせていただきたいと考えています。