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クラウド導入のメリット・デメリットとは?選び方のポイントも解説

 |  クラウド

今や企業においても個人においても、クラウドサービス(以降:クラウド)の活用は珍しいことではなくなりました。

クラウドとは、インターネットを介して提供されるサービスの総称です。 場所や時間を問わず利用できる利便性や、コスト削減、セキュリティ強化などのメリット があります。

本記事では、クラウドの概要や企業の導入率、メリット・デメリットについて基本情報を解説します。またクラウドを導入の際のポイントやサービスの選び方についても解説するので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

クラウドとは

クラウドとは、クラウドコンピューティングの略称で、インターネットを介して提供されるサービスの総称です。具体的には、ソフトウエア、ストレージ、サーバー、データベースなどがネットワーク経由で提供されます。

近年、インターネット回線の高速化・安定化とサーバーの性能の向上により、自社で独自のシステムやサーバーを保有し、アプリケーションをインストールして使用することのメリットや必要性は薄れつつあります。

企業のクラウド導入率

総務省が公開している 「令和4年通信利用動向調査」 では、令和4年時点でクラウドサービスを利用している企業の割合は72.2%と発表されています。この数字は、令和2年では68.7%、令和3年では70.4%と上昇傾向が続いています。

また、同調査において「クラウドサービスを利用する理由」について、以下の結果が報告されています。

  • 1位: 場所、機器を選ばずに利用できるから(51.1%)
  • 2位: 資産、保守体制を社内に持つ必要がないから(42.5%)
  • 3位: 安定運用、可用性が高くなるから(40.9%)

クラウドサービス活用の効果をどう実感しているのかについての調査では「非常に効果があった」「ある程度の効果があった」と回答する企業はほぼ9割 にのぼります。

クラウドを導入するべき理由

クラウド導入の必要性として、単に業務改善だけでなく、デジタルトランスフォーメーション(DX)やイノベーションの推進にも大きく寄与できることが挙げられます。

DXの推進においては、クラウドを基盤とすることで、AIやビッグデータ解析、IoTなどの最新テクノロジーを迅速に導入し活用できます。 これにより、業務プロセスの自動化や効率化、データ駆動型の意思決定、新たなビジネスモデルの創出など、DXに不可欠な要素を実現できます。

さらに、クラウドは企業のイノベーションを加速させます。クラウドのスケーラビリティと柔軟性により、新たなアイデアやプロジェクトを迅速に立ち上げ、検証することも可能です。

クラウドの導入は、業務改善という枠を超えて、働き方改革やDXの推進に大きく貢献します。リモートワークの実現やコラボレーションの強化、最新テクノロジーの活用、イノベーションの加速など、クラウドがもたらす恩恵は多岐にわたります。企業がこれからの時代に適応し、成長していくためには、クラウドの戦略的な活用が不可欠です。

DXの定義や成功のポイントについては、以下の記事も参考になります。

DX徹底解説。定義と目的、導入時の手順と課題のほか、成功事例を紹介

イノベーションの起こし方については、次の記事でも詳しく解説しています。

イノベーションはどうやって起こす?必要なこと、成功事例を紹介

クラウド導入のメリット

クラウドを導入することで、 自由度の高い就労環境を構築したり、少ない先行投資で効率的な業務が行える環境を整備したりすることが期待できます。

クラウド導入のメリットを見ていきましょう。

場所や時間を問わずに利用できる

クラウドを使えば、どこにいても仕事ができるようになります。

クラウドを導入していない状況では、外出先での作業が難しいケースもあります。そのため、営業活動後、一度オフィスに戻って作業する必要があり、移動コストがかかってしまいます。

そのため、営業担当者を始め、社外での作業が発生する従業員にとっては、場所を問わず業務を進められるクラウド環境が非常に便利に感じるでしょう。

このような クラウドの活用は、テレワークや遠隔地からの就労を可能にする基盤となります。場所や時間に縛られない柔軟な働き方を実現し、ワークライフバランスの向上や生産性の向上に寄与すると考えられます。

導入コストや運用コストを削減できる

クラウドを導入すると、自社でサーバーを用意する必要がないため、サーバーの導入や運用にかかるコストを削減できます。従来は、自社でサーバーを構築・維持するためのコストがかかっていました。サーバー機器の購入費用、メンテナンス費用、システム構築に必要なソフトウエアのライセンス費用など、多岐にわたるコストが発生していたのです。

クラウドでは、サーバーの構築は不要です。維持管理やシステムのアップデートもサービスを提供しているプロバイダー側が担当してくれるので、運用コストのカットも期待できます。

セキュリティ環境を最新に保てる

基本的に、セキュリティ環境は、プロバイダーが管理しているため、常に最新のシステムにアップデートされていると考えられます。そのため、社内でのセキュリティ確認の負担を軽減できます。

社外からのアクセスが増加すると、どうしてもセキュリティ面での懸念が高まります。その点、自動的にシステム・セキュリティともに安全性が保たれることは、クラウドのメリットと言えるでしょう。

社内で管理が必要とされているセキュリティ対策の概要については、以下の記事も参考になります。セキュリティ対策の要素や具体例について解説しています。

情報セキュリティの概要と対策の具体例とは。サイバーセキュリティとの違いも解説

クラウド導入のデメリット

クラウドを導入することで、どのようなデメリットがあるのか説明します。

既存システムと連携できない可能性がある

既存システムとクラウドが連携できないケースがあります。社内のIT環境を再構築することも可能ですが、慣れていたシステムを変更することになると、業務遂行に時間がかかったり、操作ミスが発生したりする懸念もあります。

カスタマイズしにくい

基本的に、クラウドに搭載されていない機能を追加したりカスタマイズしたりするのは難しいです。クラウドサービスは、多くのユーザーが共通して必要としている機能を提供するため、個別の要望に応えるカスタマイズは限定的です。そのため、自社の業務プロセスに合わせてシステムを細かく調整したい場合、クラウドでは対応が難しい場合があります。

ネットワーク障害により業務がストップする可能性がある

クラウドはインターネットを介して利用するシステムやサービスなので、ネットワーク障害が発生すると利用できなくなるというリスクもあります。自社のネットワーク環境だけでなく、クラウドサービスを提供するプロバイダーのネットワークやシステムに問題が発生した場合も、業務に支障をきたす可能性があります。ネットワーク障害に備えたバックアップ体制や代替手段を確保しておくと安心でしょう。

情報漏えい・セキュリティリスクがある

クラウドを活用すれば、時間と場所に縛られることなく作業できます。そのため、レンタルオフィスやコワーキングスペースなど、オフィス以外のさまざまな場所で業務する従業員も増えるでしょう。

こういった社外での作業は、快適性は高まりやすいものの、端末の紛失、情報漏えいなどの危険性も高まることになります。こうした事態を防ぐためには、クラウドサービスの活用方法やルールをあらかじめ策定しておき、従業員全員への周知を徹底しておく必要があります。

「こういったデメリットによるリスクをなるべく避けたい」「クラウド導入で失敗したくない」という方は、プロに相談しながらクラウド導入を進めるのも一つの選択肢です。

NTTデータ関西では、 クラウドの構築・監視・保守運用・コンサルティングまでワンストップでおまかせできるサービス「xCooS(クロスコース)」 を提供しております。 セキュリティやコストなど、目的別の診断サービスにより、クラウドの最適化をサポート いたします。

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クラウド導入の際のポイント

クラウドの導入の手順を考える際には、大きく次の3つのポイントを検討しておきましょう。

目的を明確にする

クラウド導入の目的を明確にすることが第一歩です。業務効率の向上、コスト削減、セキュリティ強化など、具体的な目標を設定しましょう。目的に合わせて、必要な機能や性能を備えたクラウドを選択することで、ミスマッチを防ぎやすくなります。

クラウド導入の範囲を決める

それぞれの課題に対してクラウド導入の範囲を決めます。全社的な導入か、特定の部門やプロジェクトに限定した導入かを検討しましょう。段階的な導入も選択肢のひとつです。

導入範囲を明確にすることで、スムーズな移行とリスク管理が可能になります。

運用するときのルール、マニュアルを策定する

クラウドを導入したあとの運用を見据えて、利用・管理担当者の選定、運用ルール、マニュアルを策定します。

セキュリティポリシーや、データ管理方法、トラブル対応手順などを明文化し、全従業員に周知することも重要です。必要に応じて、研修会の開催や、定期的なルールの見直しも行いましょう。適切な運用体制を整えることで、クラウドの効果的な活用が可能となります。

クラウドの選び方

クラウドを導入する際には、何を確認する必要があるのでしょうか。クラウドサービスの選び方について説明します。

目的との整合性

前項でも解説したように、クラウド導入の目的を明確にし、その目的に合致したサービスを選びましょう。

業務効率化を図るなら、操作性が良く、業務を軽減できる機能を備えたサービスが適しています。また、既存システムやソフトウエアとの連携性も確認が必要です。目的に沿ったサービスを選ぶことで、導入効果を最大化できます。

コストパフォーマンス

必要な機能を満たしつつ、導入費用が予算内に収まるサービスを選択しましょう。

加えて、運用費用の料金体系も事前に確認が必要です。クラウドは長期的な運用が前提となるため、導入費用だけでなく、ランニングコストも考慮に入れる必要があります。中長期的な視点でコストパフォーマンスを評価しましょう。

サポート体制の充実度

クラウド導入や運用には、一定の経験と知識が求められます。プロバイダーのサポート体制は、円滑な導入と運用を左右する重要な要素のひとつです。

導入から運用までの一貫したサポートの有無、トラブル発生時の対応体制、専任担当者の割り当てなど、サポート内容を事前に確認しておくことが肝要です。手厚いサポートを提供するプロバイダーを選ぶことで、安心してクラウドを活用できます。

まとめ:クラウドは長期的な企業の成長と存続に不可欠

クラウド導入は、セキュリティ強化や事業継続性の向上、働き方改革の推進など、企業の長期的な成長と存続に欠かせない取り組みです。データの共有や管理の効率化も実現できます。ただし、クラウド導入の目的や必要な機能を明確にし、運用方法を定めておかないと、期待した効果は得にくいでしょう。

自社の課題を正しく把握し、それを解決するためにクラウドをどう活用するのかを検討したうえで、最適なクラウドサービスを選択することが重要です。

NTTデータ関西では、 クラウドの構築・監視・保守運用・コンサルティングまでワンストップでおまかせできるサービス「xCooS(クロスコース)」 を提供しております。

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