枚方市とこどもがSOSを出しやすくする仕組みを検証
~GIGAスクール向け教育端末に「こどもSNS相談アプリ」を提供し、自発的な相談とアンケート機能による予兆検知~

2022年6月22日
株式会社NTTデータ関西

 株式会社NTTデータ関西(以下、NTTデータ関西)は、こどもを取り巻くいじめや虐待、貧困等の問題を早期発見・解決に向けて、公立学校で配布されているGIGAスクール向け教育端末※1上で動作する「こどもSNS相談アプリ」を開発し、枚方市と2022年6月27日から実証実験を実施します。  


 近年、こどもの貧困/いじめ/虐待/ひきこもり/不登校など、こどもをめぐる問題が深刻さを増すなか、未然防止、早期発見・早期解決のため、こどものSOSを早期にキャッチできる仕組みが求められています。これを受けて、NTTデータ関西は、枚方市へ公民連携プラットフォーム※2を活用し、こどもの潜在的な問題や悩みを察知することで、より相談しやすい環境を提供できる「こどもSNS相談アプリ」を提案し、枚方市と協同して実証実験を実施します。
 本アプリでは、一般的なSNS相談だけでなく、心・体調のアンケート機能を搭載しています。その結果から悩みを抱えるこどもの予兆を検知し、教育現場などで声掛けを行うことができるため、自発的な相談を促すことが可能となります。また、相談開始時にはチャットボットにより相談のジャンルを選択することができるため、ジャンルに応じた応談者をアサインすることが可能となり、相談体制の構築の際にも有用です。
 実証実験では、本アプリを通して実際に寄せられる相談の内容や量を把握し、相談対応に必要な体制を評価するとともに、こどもが発するサインをキャッチし、効果的に対応できるよう、利用するアプリや運営面の課題を抽出します。


こどもSNS相談アプリを活用した相談受付の流れ
図1 こどもSNS相談アプリを活用した相談受付の流れ


NTTデータ関西は、今回の実証実験の結果を踏まえ、こどもの抱える問題に素早く気づき、その解決を支援する「こどもSNS相談アプリ」の開発と全国展開に向けた商品化を目指します。



実証実験の背景

 こどもの貧困/いじめ/虐待/ひきこもり/不登校など、こどもをめぐる問題が深刻さを増すなか、支援体制の充実がますます必要となっています。いじめを例に挙げれば、認知件数は年々増加しており、特に小学校での件数が最も多く、全体の約8割を占めています(図2)。悩みを相談しやすい環境づくりのために、LINE等のSNSによる相談受付に取り組んでいる自治体もありますが、小学生の9割以上は専用のスマートフォンを所持していないという現状があり(図3)、相談が難しい環境です。
 また、教育現場は常に繁忙状態にあり(図4)、こどもが抱える問題解決を教員だけに頼るのではなく、自治体全体としてこどもの問題に寄り添う体制づくり、仕組みづくりも重要になります。そのため、小学生が日頃から所持しているGIGA(ギガ)スクール向け教育端末で利用できる「こどもSNS相談アプリ」を通して、全てのこどもが悩みを相談しやすい体制の構築に繋げます。

いじめの認知件数および割合
図2 いじめの認知件数および割合 (参考:文部科学省資料(令和3年11月22日))


こどものスマートフォン所持率


実証実験の概要

本実験においてNTTデータ関西は、枚方市で6月27日から、市内の小学生、中学生を対象にSNSによる相談受付を行われることを通して、こどもSNS相談アプリの動作確認を行います。
 実施期間:6月27日~9月30日
 対象:市内の4校を予定(小学校:2、中学校:2)


こどもSNS相談アプリの特長

①多くのこどもが所有しているGIGAスクール向け教育端末で利用ができる
②子どもにも親しみやすいユーザーインターフェース
③心と体調アンケート機能により、こどものSOSの予兆検知につながる



枚方市からのコメント

 年々増加傾向にある、いじめや不登校等さまざまな子どもの課題について、未然防止、早期発見・早期解決できるよう、子どもが発するサインを見逃さない仕組みづくりが必要となっていました。
 新たな仕組みには子ども達が使い慣れているタブレットなどICTの活用が欠かせないものですが、システムの機能や相談体制などを検討し整備するにあたり、エビデンスがないことが大きな課題でした。
 そのような中、NTTデータ関西様から、枚方市の公民連携プラットフォームによる自由提案として、本実証実験の提案をいただきました。貴重な知見を得られる実証実験を通し、相談内容や件数、相談時間等を把握した上で、適切な相談体制の整備につながるよう期待しています。



訪問カウンセリングステーション・プロセス代表 岩本 真由さん(臨床心理士)からのコメント

 子どもたちの相談にのる時には、子どもたちに寄り添い、同じ目線から子どもたちと世界を共有することが重要です。
 子どもたちと目線を合わせるために、時には子供たちにとって馴染みのあるものを活用したりもします。相談の入り口としてSNS相談やアプリを用いることで、一人で抱え込んでいた子どもから、一つでも多くの「相談」が寄せられ、同じ目線で悩みを共有できるのではと期待しています。



参考資料

図2:いじめの認知件数および割合(参考:文部科学省資料)
図3:こどものスマートフォン所持率(参考:内閣府資料)
図4:小学校教員の時間外勤務時間(参考:文部科学省資料)



  • ※1GIGA(ギガ)スクール向け教育端末
    国の「GIGAスクール構想」(こどもへ1人1台端末、ネットワーク環境を整備し、多様なこどもへICT環境の充実を図る)に基づき、配布される端末。
  • ※2公民連携プラットフォーム
    枚方市の抱える課題に対して、企業・大学・研究機関等と協力し、積極的に解決に取り組むための枚方市の独自制度。

本件に関するお問い合わせ先

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