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脅威トレンド

2025.5.30

内部不正

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内部不正による情報漏えい

内部不正の機会を与えない対策とは

  • #内部不正

はじめに

IPAが毎年発表している「情報セキュリティ10大脅威」の中で「内部不正による情報漏えい」は2021年6位、2022年5位、2023年3位と、年々順位をあげています。
情報漏えいはランサムウェアや標的型攻撃などのサイバー攻撃による外部不正と、従業員が機密情報を持ち出すなどの内部不正に分かれますが、2023年に上場企業で発生した原因別の情報漏えい発生件数をみると、内部不正によるものは24件でした。(東京商工リサーチ「2023年「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故」調査」より)
また、内部不正による情報漏えいは漏えいする情報が大量になる傾向があり、一度発生すると企業経営にとって大打撃になります。例えば、某キャリア系マーケティング会社で発生した内部不正では、持ち出された個人情報の数は928万件にのぼりました。

不正のトライアングル

内部不正の対策を検討するとき、不正の仕組みをモデル化した「不正のトライアングル」を使うことは評価・検討に大いに役立ちます。
不正のトライアングルでは、以下の3つの要素がそろうと不正行為の可能性が高まるとしています。

  • 1機会

    不正行為の実行を可能または容易にする客観的な環境

  • 2動機(プレッシャー/インセンティブ)

    不正行為の実行を欲する主観的な事情

  • 3正当化

    不正行為の実行を積極的に是認する主観的な事情

このコラムでは「機会」に着目し、情報漏えいの内部不正を許さない対策について解説します。

内部不正による情報漏えいへの対策

内部不正の「機会」を与えない。ということは、以下のような環境を作ることです。
・内部不正により情報を社外に持ち出すことが極めて難しい
・内部不正により情報を社外に持ち出したとしても、すぐに露見し犯人が特定される
では、企業の情報が蓄積された情報システム環境では、どのような対策が考えられるのか見ていきましょう。

アクセス権の見直し

内部不正の中には権限のある者が通常の業務時間中に犯行を犯す事例があります。
アクセス権を付与することは業務の円滑な遂行のために必要な要素ですが、それ以上にセキュリティ面で極めて重要な意味を持ちます。よって以下のポイントの見直しが重要です。
・付与したアクセス権が真に必要なものか(最小権限の原則)
・アクセスできる者とそのアクセスを監視・監査できる者とが分かれているか(職務の分離)
・アクセス権を定期的に見直しているか

情報の持ち出しルートを限定

社内にある情報を社外に持ち出すことは、業務上必要になることがありますが、情報を持ち出すルートがいくつもあると管理・監視が難しくなります。そのため、社外への情報の持ち出しルートを限定し、それ以外のルートで情報が持ち出せないような仕組みを作り、限定された持ち出しルートに対する管理・監視を強化することが重要です。
・USBメモリ等可搬媒体での社外持ち出しを禁止する
・メール添付でのファイル持ち出しを禁止し、必ずファイル転送のオンラインストレージを使用する
会社の業務に支障がない範囲で、持ち出しルートを限定することが求められます。

ネットワーク分離

内部不正事件の中には、個人情報を操作するパソコンにダウンロードし、USBメモリにコピーして持ち出した事例があります。このようなケースの対策としては、ネットワーク分離が非常に有効です。重要な情報が格納されているサーバーとそれらを操作するパソコンのネットワークを分離し、サーバー操作にはリモートデスクトップなどを使用します。

社員の行動監視

社員の行動を監視することは、内部不正の牽制効果だけでなく、大多数の善良な社員の身の潔白を保証するためにも、近年多くの企業で採用されています。社員の行動監視ソリューションには大きく2種類あります。

  • 1パソコンの操作監視

    社員がパソコンで行った操作を記録するソリューション。
    パソコン操作を監視するソリューションの中には、単に記録するだけでなく、USBメモリ等へのファイルコピーの制限や、ファイルサーバーからのファイルダウンロードを禁止する制限機能を有するものもあります。

  • 2振る舞い検知

    社員の行動をプロファイリングし、AI(機械学習)の分析により異常を検出するソリューション。
    このソリューションの特長は、内部不正だけでなく、社外からのセキュリティ侵害にも対応できること、内部不正が行われる前の準備段階の不審な行為も見逃さない点があります。

以上のような対策を講じることで、内部不正の機会を与えず、内部不正が起こりにくい業務環境を構築する一助となれば幸いです。

まとめ

弊社では振る舞い検知ソリューション「Exabeam」を中心としてお客様の内部不正対策をご支援しております。

Exabeamは東京オリンピックのネットワーク監視でも使われた日本でも多くの導入実績のあるセキュリティイベント管理ソリューション(SIEM)です。社内システムやクラウドで発生する各種イベント情報を収集し、それらをExabeamクラウドで分析し、外部からの攻撃や内部不正を検知します。不審な通信や行動の分析では最新のAI(機会学習)を用いており、ルールベースにより異常を検知する従来型のSIEMに比べて、検知精度が高いことが特長です。

Exabeamや内部不正対策ソリューションにご興味にある方は、お気軽に弊社までお問合せください。

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