ホーム  /  D×KNOWLEDGE  / 他社に勝つ経営、マーケティング戦略のカギはデータ分析〜目的に合った分析手法を紹介〜

D×KNOWLEDGE

DX、IT戦略などITに関わる課題解決に
役立つコンテンツをお届け
~お客様とともに新しいしくみや
価値を創造する、オウンドメディア~

他社に勝つ経営、マーケティング戦略のカギはデータ分析〜目的に合った分析手法を紹介〜

 |  データドリブン

顧客情報や市場動向を探るための情報の重要性は、多くの企業や組織が認識しています。そして、ビッグデータの活用や独自の方法で情報収集に力をいれています。その結果、膨大な情報が企業や組織に蓄積されていると考えられます。では、それらの情報はどの程度有効活用できているのでしょうか。集めた情報を活用して、効果的なマーケティング戦略を打てているのでしょうか。 情報は量を集めることも重要ですが、目的に応じて適切に分析して、はじめて有効活用できるものです。 マーケティング戦略に手ごたえを感じないのであれば、データ分析が十分ではないのかもしれません。今回は効果的なマーケティング戦略を打ち、その成功率を高めるために何が必要なのかを考えてみましょう。

情報社会とデータの重要性

企業や組織の活動を決定するために、社会の動向や顧客の行動・意識、市場の動向などを把握することが重要です。

長年、同じ業務を担当してきたベテラン担当者の経験値に基づく勘を頼りにマーケティング戦略を立てていたのでは、成功率が安定しない可能性もありますし、社会や市場の動向に迅速な対応がとれなくなります。また、担当者が変われば、マーケティング戦略を立てる際の論拠すらなくなることになります。

そうした状況を回避するために、データを集め、そのデータに基づいてマーケティング戦略を立て、意思決定をするのは、当然の流れでしょう。さまざまな活動がデジタル情報としてやり取りされる現在では、データの収集と活用は不可欠なのです。そしてデータ活用の重要性は多くの企業や組織が認識しています。

データドリブンとは

そうした背景のなか、注目されているのがデータドリブンです。

データドリブンというのは、データに基づいて企業の経営やマーケティングに関する判断・行動を決定していくビジネススタイル のことです。

データドリブンが必要とされる理由

データを活用して意思決定をするデータドリブンが必要とされる理由をもうすこし詳しく見ておきましょう。

顧客の消費行動やニーズの多様化
広くデジタル技術が利用されるようになり、消費者が何かを購入しようとする際にも、商品やサービスの情報を収集し、多くの人からの「口コミ」や「評判」を精査して購入するか否かを決断することが多くなりました。あらゆる商品やサービスの情報が簡単に入手できる現在では、より個人的な必要性に適応したモノを求める傾向にあります。ニーズが多様化しているといえるでしょう。
商品やサービスを提供する企業にとっては、大まかな分析によって商品・サービスを開発していたのでは、消費者のニーズに応えることができません。また、購入を促すためのより詳細な情報提供を必要としている人に、タイムリーに届けることの重要性が増しています。こうした行動を確実に成功させることやそのための意思決定を迅速に行うためには、データを活用する必要があるのです。
社会・市場の変化の激化
情報が飛び交い、情勢の変化がリアルタイムに簡単に調べることができる現在は、政治、経済、生活などさまざまな面での変化が激化しています。商品やサービスに注目してみると、さまざまなモノが次々に求められ、その流行は世界中におよび、すぐに別の商品やサービスへ流行が移り変わります。こうした社会や市場の変化の次の流れを読むことが企業にとってより重要なことであり、そのためには迅速で的確な意思決定が求められています。その意思決定の論拠となるのが膨大なデータを活用した「読み」、つまり分析結果です。今後、ますますデータを活用した企業活動は基本となっていくと考えられます。

「データドリブンとは?いま注目される理由とメリット」

https://www.nttdata-kansai.co.jp/media/005/

データは高精度な分析をしてはじめて戦略に使える

企業には膨大な情報が集まり、多様なカテゴリー要素を含んだデータが集まります。 膨大な量のデータから、何を読み解くか、何に活用するための要素を抜き出すか、といった分析をすることで意味を見出せます。 ビッグデータを活用したビッグデータマーケティング、データドリブンマーケティングで成功へと結びつけるには、データ分析こそ鍵なのです。

では、データ分析をするために何が必要なのか考えてみましょう。

データ分析をする人材
膨大なデータから必要な情報だけを抜き出し、誰もが使える形にするには、 データ分析をするためのスキルやマーケティングに関する知識、経営についての知見など、幅広い知識と専門的な技術力のある人材が必要 です。ただ、こうした人材の育成や確保はすぐにはかなわなかったり、難しかったりするため、ツールを活用する方法もあります。最近は多くの人が操作できる分析ツールも登場しています。
データの一元管理ができる環境
データを分析して、 必要な要素を抜き出すためには、膨大なデータが揃っていることが前提 です。営業部にあるデータ、経理部が保存しているデータ、商品開発部が持っているデータといった具合に、 それぞれの部署にバラバラにデータが保存されていたのでは、精度の高い分析はできません。 まず、データを一元管理できる環境を構築することが必要です。
分析データを可視化する工夫
データ分析は統計学の分野です。ただ、統計学で導き出した分析結果を数字や傾向だけで示されても、具体的に使える形になったとはいえません。たとえば、グラフにして、数年の動向を可視化し、それに対策を打ったときの変化を重ね合わせた図表にするなど、 誰でもが分析結果を視覚的に理解できる形にし、共有できる工夫が必要 です。

使えるデータ分析の手法について

では、データを活用したマーケティング戦略を実践する際に、どのようなデータ分析を行えばよいのでしょうか。

データを分析する前に、まず、何を目的にデータを分析するのかを明確にしておきます。 目的に適した分析手法を選択することで、より使える分析結果を得ることができます。 ここではいくつか分析手法を紹介しましょう。

属性ごとに分類して集計するための分析手法:クロス集計と線形回帰分析
クロス集計というのは蓄積したデータを属性ごとに分類して集計する分析方法です。たとえば、「携帯電話を何の目的で使うことが多いですか」というアンケートに対して、「SNS」「通話」「情報検索」「写真」などの回答があり、さらに、それらの回答項目ごとに、どの年齢、性別が多いのかといった各属性で傾向を把握するときなどに活用できます。
線形回帰分析というのは、論理的に考えられる直線を引くことで、より傾向を明確にする分析方法です。
前述のクロス集計で「SNS」に携帯電話を活用する人を年齢で分析した場合、年齢が高くなるにつれて緩やかな下降していく曲線を描いたとします。その曲線を直線と見なして、SNS利用と年齢の関係をy = ax + bという方程式で捉えるのが線形回帰分析です。
原因から結果を予測するための分析手法:決定木分析
ひとつの原因をもとに、「もし○○だったら○○という結果になるのではないだろうか」と仮説を何度か繰り返して、何通りもの結論を予測する分析方法です。ロイヤリティの高い顧客の特徴を見つけ出したいときの分析や、マーケティングやリスクマネジメントに利用できる分析方法です。
データの背後にある共通因子を探し出すための分析手法:因子分析
膨大なデータのなかからデータに潜む共通因子を探り出すための分析方法です。
たとえば、購入をする前に「評判を見る」「口コミを読む」「SNSで商品の使用者感想を探す」といった人たちの行動背景には「慎重な性格」が潜んでいることが分析できます。こうした、ある結果に強く影響している因子を見つけて、消費者心理を把握したい場合などに利用される分析方法です。
商品・サービスの間にある相関関係を探るための分析手法:アソシエーション分析/バスケット分析
アソシエーション分析/バスケット分析(バスケット分析はアソシエーション分析の手法のひとつ)というのは、一見すると関係のない商品の間の関係性や類似性を見つけ出すために利用される分析方法です。
有名なのがビールを買いに来た男性がおむつを同時購入するというデータに注目して、父親がおむつを購入する際に、ついでにビールを購入しているという分析結果を出し、陳列をおむつとビールが近い配置にしたところ、売り上げが上昇した、というものです。
一見、数字だけでは見落としがちな関係性を、分析することで相関関係を発見できるのがこの分析方法です。
要素を重要度によってランク分けするための分析手法:ABC分析
重点分析とも呼ばれる分析方法です。たとえば、商品に関して、売上高、コスト、客数別にランク分けをして重点的に販売する商品を決める際に使える方法です。どれが期間内に売れ筋であったのか、売上高はトップではないが客数が多いのはどの商品なのかを分析することで、特定期間に在庫を増やすべき商品を決定しやすくなります。
類似する特徴ごとにグループ分けをするための分析手法:クラスター分析
異なる要素を持つデータのなかから、共通要素のあるデータごとにグループ分け(クラスター)して、属性を分析する方法です。クラスターの軸は目的に応じて決めます。たとえば、和菓子を購入した人のデータがあったとします。クラスターの軸を「性別」「年齢」「甘い物好き」「店の場所(商圏の特性)」といった軸で分析することで、客層の特性や、どこでどの商品が求められるのかといった販売エリアを把握するため、あるいはブランドのポジショニングなどを知るための分析に活用できます。

データを十分に活用するためのツールはこれ!

自社に蓄積された既存のデータを十分に活用するには、どのようなツールを使い、どのように実行していけばよいのでしょうか。

だれにでも使いやすいこと、多様化したデータを一元的に管理できること、データの連携が図れること、データ分析環境の構築から運用・活用までが直感的な操作で実行できることなどをキーワードにツールを選んでみましょう。

Informatica

Infomaticaは、社内の各部署に分散しているデータやどこにどのような形で蓄積されているのかが把握できないままのデータなど、 利活用ができていない多様なデータをマネジメントするためのソリューションです。

Infomaticaを活用することで、連携させたデータの流れを一元管理し、可視化することができるので、 データ連携の運用や開発が容易になります。 また、多角的なデータをすばやく抜き出し、必要とするデータが何であるのかを瞬時に理解し、アウトプットが可能になります。

ユーザー単位でアクセスを制限することや、ネットワーク内外の脅威からドメインを守る機能がついているので、セキュリティについても安心して活用できます。

詳しい内容と導入については以下を参照ください。

https://www.nttdata-kansai.co.jp/informatica/

Tableau

迅速で高精度、柔軟なデータ分析を行い、論理的でタイムリーな意思決定を可能にするソリューション がTableauです。

シンプルで直感的な操作ができるので、 誰でもが自分自身の手で柔軟・高速なデータ統合や分析をすることができます。 データを視覚化しながら分析するので、 科学的な論拠に基づいた、説得力のある意思決定が素早く行えます。

Tableauを活用すれば、多様なデータに接続することができるので、データ統合が簡単に実行できます。また最新のデータにアクセスすることができることで、データの変化や変化の要因を深掘りし、さまざまな観点からの分析も容易になります。プロモーションの最適化を実現することも可能です。

詳しい内容と導入については以下を参照ください。

https://www.nttdata-kansai.co.jp/tableau/

他社に差を付けるための経営方針は的確なデータ分析が支える

さまざまなものがインターネットにつながり、日常的に活用している現在は、膨大なデータを収集することが可能です。企業はさまざまな方法で顧客や市場のデータを集積し、経営やマーケティングのための意思決定に利用しています。一方で、集積している膨大なデータを効果的に活かすことができず、経営やマーケティングで結果がでないケースも少なくありません。 原因はデータ分析の精度と可視化の不十分さです。

今回紹介したデータ分析手法を参考に 、何を目的にデータ分析するのかを明確にしたうえで、必要な要素をうまく活用することが、より戦略的な経営方針やマーケティングの実施につながります。

めまぐるしく変化する社会においては、的確なデータ分析こそが、次の行動・意思を決定する論拠を得る方法になります。競争力を強化するためにも、データ分析の重要性を見直してみましょう。