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DXを促進させ、「2025年の崖」回避にもつながるローコード開発とは

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いま、ビジネスにおいて新しい価値を創造し、市場における競争力をつけ、企業が持続的成長していくための取り組みが活発化してきています。多くの企業でDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現を目指して、それぞれの業務の見直しやシステムの刷新といった対応をしているのも、そうした動きの一環だと言えるでしょう。そんななか、激変するビジネス環境や市場ニーズにも迅速に対応するためのアプリケーション開発手法に注目があつまっています。それがローコード開発と言われるものです。今回はローコードについて、他の手法との比較、メリット、デメリットなどを紹介します。

アプリケーション開発方法の種類

アプリケーションを開発するためには、アプリケーションに必要な動作を設計(プログラミング)していかなくてはなりません。そのときに使用するのがコードやソースコードと呼ばれるものです。こうした作業には専門的な知識と技術が必要です。しかし現在は、こうした 開発にも専門的な知識を要しない手法が登場し、活用されはじめています。それが、ノーコード開発、ローコード開発と言われるものです。まずは、アプリケーション開発に使われる手法に関して メリット、デメリットを確認していきましょう。

フルスクラッチの特徴

特徴
フルスクラッチというのは、 アプリケーションをゼロから作っていく開発方法 を指します。
メリット
自社独自のアプリケーションを開発できます。また、専門的な知識と技術は必要ですが、機能の追加も柔軟に対応できるため、必要な機能や要件をすべて盛り込んだアプリケーションを作ることができます。
デメリット
アプリケーションをプログラミングするための専門知識と技術が必要です。また、専門的な知識と技術をもった人材を探すのにも、雇うにも費用がかかります。開発企業に委託して開発する場合にも費用がかかりますし、高額になることが予想されます。
開発から導入までの時間も最短でも1年以上になることが少なくありません。これだけの費用と時間をかけて独自のアプリケーションを開発したとしても、著しく変化するビジネスに対応するためには、迅速な見直しも必要となり、数年でアプリケーションの機能が陳腐化する可能性もあります。

ノーコードの特徴

特徴
アプリケーション開発に必要なコードを必要としない開発手法です。そのため プログラミングに関する知識や技術がまったくない人でも、アプリケーションを開発することができるの が最も大きな特徴でしょう。
メリット
また、だれでもアプリケーションの開発が可能だという点がメリットです。このことは、現場で必要なアプリケーションの開発ができるということです。
さらに、専門的な知識や技術をもったエンジニアや開発企業に頼る必要がないので、費用や開発時間を抑えることができます。
デメリット
大きなデメリットとして注意したいのが、自由度に欠けるという点です。ノーコード開発を提供しているプラットフォームに用意された作業しかできません。ローコードの場合なら、プラットフォームが対応している範囲であれば、自らコードを記述して機能の拡張もできますが、ノーコードの場合は対応していないものは追加できません。
また、他のソフトウェアやシステムとの連携が難しい場合もあります。

ローコードの特徴

特徴
アプリケーションをプログラミングするためのソースコードをほとんど必要とせずに開発ができる手法 です。ローコード開発はプラットフォーム側が用意した画面を利用して、必要な機能を組み立てていきます。そのため、プログラミングができる専門的なエンジニアでなくてもアプリケーション開発ができるのが特徴です。
メリット
専門的なエンジニアや開発企業を使う必要がないので、アプリケーションを開発するための期間や費用を抑えることができます。
コードに関する基本的な知識は必要になりますが、エンジニアでなくても対応できるので、より現場に関わる人が現場の要望を盛り込んだアプリケーション開発を行うことが可能になります。
専門知識や技術が必要ないため、アプリケーション完成後も、必要に応じて機能の拡張や改修を行うことが容易です。
デメリット
プラットフォームで提供されていない機能をアプリケーションに加えることはできません。
アプリケーションのプログラムについてある程度の知識は必要になります。

ローコード開発が注目される背景

いま、ローコード開発が注目をされているのはなぜでしょうか。DXへの取り組みとの関係も踏まえて考えておきましょう。

DXを推進し、自社の強みを生かしたビジネスを加速させたい

多くの企業がDX実現に向けて取り組んでいます。それは単純に手作業で行っていた業務をデジタル化して効率化するというだけではなく、 デジタルを活用することで、新しい価値を創造し、市場における競争力をつけ、企業価値を高めることを求めている からです。

こうした取り組みを迅速に行うためには、それぞれの業務に適した使いやすいアプリケーションの開発が必要です。そうした動きのなかで、ローコード開発が注目を集めているのです。

即戦力となる業務アプリケーションを開発したい

従来、それぞれの業務に適したアプリケーションを開発するためには、IT知識や技術をもったエンジニアが対応したり、開発企業に委託をしたりする必要がありました。しかしそれでは、時間もコストもかかり、著しく変化するビジネス環境に対応できなくなる可能性があります。また、業務を担う担当者が保守・管理ができるアプリケーションでなくては、トラブルが発生したときや微細な変更をしたいときにも、専門家に依頼しなくてはなりません。これではいつでも最適な稼働が担保された業務アプリケーションとしては不十分でしょう。

たとえば、NTTデータ関西が提供する「intra-mart」というローコード開発機能をもったプラットフォームを利用すると、 ITシステム開発を内製化することが可能 になります。つまり、ローコード開発を利用し、自社内で使い勝手を検証しながら、改良していくことができるのです。また、顧客企業の課題に応じてITシステム開発の内製化を伴走支援するサービスも提供しています。

詳しくはNTTデータ関西「intra-mart」内製化支援サービスをご参照ください。

https://www.bizxim.com/lp/im-inhouse.html

「2025年の崖」回避にもつながるローコード開発

経済産業省は2018年のDXレポートにおいて「2025年の崖」問題を指摘するなかで、約8割の企業が老朽化したシステムを刷新できておらず、それがDXの足かせとなっているケースがあります。そして、膨大な額の経済損失(最大で12兆円)が生じる可能性に言及しています。

こうした 「2025年の崖」を回避することにもつながると期待されているのがローコード開発 です。具体的に確認してみましょう。

レガシーシステムの刷新

経済産業省の発表では、約8割の企業が老朽システムを抱えており、そのなかには老朽化したシステムがDX促進を妨げているという企業もあります。しかし、フルスクラッチによって新しいシステムやそれぞれの業務に適したアプリケーションを一から開発しようとするとIT人材が不足するなか、かなりの費用と時間が必要です。

ローコード開発を利用すれば、専門的な知識や技術をもったIT人材が不足していても、使いやすいシステムや各業務に最適化したアプリケーションの構築が可能 になります。

システムの保守・管理が容易

ローコード開発で設定されたアプリケーションであれば、ITに関する専門的な技術や知識がなくても対応が可能なため、 多くの社員が保守・管理をする可能性が広がります。 また、業務を行いながら、より使いやすいアプリケーションへと最適化もできます。

コスト(費用・人材)削減

レガシーシステムが刷新され、アプリケーションの保守・管理に専門的な知識が技術を要しない環境が構築できれば、 人的リソースを適材適所に配置できるようになるほか、古いシステムを維持するための経費が削減できる、 と期待されます。

まとめ:開発手法を使い分けて、自社の強みを生かした活動を加速させる

自社の業務を効率化させるために、業務内容に適したアプリケーションを開発する機会は少なくありません。その際に、どういった開発手法を使うのが最適なのかの判断は重要です。フルスクラッチが必要な開発なのか、現場で対応しやすいローコード開発を選択すべきなのか、また、よりスピーディにノーコード開発を使ってアプリケーションを稼働させるのか。どれかひとつではなく、それぞれのケースに応じて、適切に選択することがDXを実現させ、自社の強みを生かした活動を加速させるためには重要でしょう。そうした状況において、専門的な知識と技術、幅広い事例をもっているNTTデータ関西のような企業に相談するのが最適解への近道です。どの選択をすべきなのか、また、どういった手法が選べるのか、自社に最適な方法を見つけ、企業活動を加速させましょう。