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BIZXIM製番を軸に生産管理システムを全面刷新
紙台帳と手作業に頼った受注処理からの脱却を実現

受配電・制御システムの製造を通じて、産業や社会生活への電力安定供給を担う中立電機。同社では老朽化した汎用機で運用していた基幹系と生産管理系のシステムの分断や、属人化した受注処理など多くの課題を抱えていました。 そこでNTTデータ関西からの提案のもと、生産管理システム「BIZXIM 製番」を中核とするソリューションを導入。業務プロセスそのものを見直しながらシステム刷新を進めた結果、ペーパーレス化や業務スピードの大幅な向上、月次締め作業の効率化を実現しました。

課題

汎用機(基幹システム)、オフコン(生産管理システム)、その他の業務システムが異なるサーバーに分断しており、業務システムから発行する各種紙伝票を基幹システムへパンチ入力する必要があるため、最新データが反映されるまでに多大なタイムラグが発生

汎用機とオフコンのハードウェアが老朽化しており、販売終了が迫るとともに、約50年前から継ぎ接ぎで内製構築したシステムの改修やPL/IやCOBOL技術者の確保が困難

オーダー番号の採番やデータ入力を手作業に依存し、少数の担当者に属人化

効果

紙を用いた手作業がシステム化されたことでペーパーレス化が進み、帳票の印刷枚数が321万枚から約199万枚へと4割近く削減

受注伝票発行から基幹システムへの登録まで最大3日間を要していたタイムラグが解消され、生産への指示出しも格段にスピードアップ

月次の締め作業に費やしていた時間が3日から1日へと短縮されたほか、情報システム部全体での定型業務工数は大幅に削減

貴社について教えてください

櫻木氏

当社は1927年(昭和2年)に名古屋で創業し、2027年に100周年を迎える配電盤・制御盤・分電盤の専業メーカーです。売上規模では業界トップクラスに位置しており、板金から塗装、組み立てまで一貫して手掛けているのが強みです。 大手自動車メーカー様とも直接取引させていただくなど、お客様から高い信頼をいただいています。

生産管理システムを刷新した背景は?

櫻木氏

端的には旧システムの限界です。基幹システム、生産管理システム、その他の業務システムが別々のサーバーで運用され、分断していました。データ連携に時間を要し、月次の締め作業が済むまでKPIを確認することができません。 そして最大の問題となっていたのが、オーダー番号の割り当てです。旧システムには4桁の数字しか入力することができず、数年で“枯渇”してしまうのです。受注製品に同じオーダー番号を割り当てることになってしまうため、正確なトレーサビリティが保てなくなります。

北川氏

しかもオーダー番号の採番は完全に人手に依存していました。担当者が紙の台帳を見ながら、「この番号はまだ使えるか」を判断して割り振るのです。その担当者の不在時には受注も手配も止まってしまうという、完全に属人化した状況にありました。

櫻木氏

そもそも汎用機とオフコンには販売終了が迫っており、金融機関からも「これを機にシステムを刷新すべきでは」と助言を受けていました。

BIZXIM製番を選定した理由は?

北川氏

新しい生産管理システムに求めたのは、「個別受注生産に対応できる」「リアルタイムに近い形で受注および生産の進捗状況、原価を把握できる」「紙の帳票を減らせる」ことなど、重点改革テーマを掲げてRFP(要求仕様書)を作成し、 ベンダー5社でコンペを実施した結果、NTTデータ関西の提案を採用しました。「BIZXIM製番」を中心に、Web-EDIシステム「e商買®」、エンタープライズ・ローコードプラットフォーム「intra-mart®」、またBIツールを連携させるというものです。
※「調達業務改革 Web-EDIe 商買®」は株式会社オネストが提供するWeb-EDIシステムです。

伊藤氏

各社の説明を聞いて、業務の流れを最も理解できたのがNTTデータ関西からの提案でした。最大の難関と思われた個別受注生産に具体的にどう対応できるのか、画面やデモを通じて実務への適用をイメージできました。 正直、現行業務に対するBIZXIM製番のフィット率は60%程度でしたが、「当社独自のやり方を曲げてでも、パッケージに合わせることで実現できる業務変革の価値がある」と判断しました。

導入プロジェクトはどのように進んだ?

北川氏

システム導入は2020年11月にスタートしました。要件定義フェーズに約6ヶ月をかけた後、開発、テストを経て、2023年1月に新システムは稼働を開始しました。 コンサルタント会社とともに現行業務の棚卸などの事前準備を行った期間まで含めると、足掛け3年に及ぶ長期プロジェクトとなりました。

伊藤氏

プロジェクト初期はコロナ禍と重なったことで、対面予定だった打ち合わせがすべてWeb会議になるという想定外の苦労もありました。 最初は意思疎通に難しさを感じましたが、NTTデータ関西が上手くリードしてくれたおかげで、次第にWeb会議にも慣れることができました。

北川氏

新システム稼働直後は現場から大きな抵抗を受け、「以前のシステムではこれができたのに」という不満が寄せられました。ただ、旧システムと新システムを並行稼働するのではなく、あえて一斉切り替えに踏み切ったため、現場はBIZXIM製番を使わなければ仕事になりません。 事前に重ねて実施してきたトレーニングや説明会などの取り組みも功を奏し、最終的にはシステムに合わせて業務のやり方を変えることに納得してもらうことができました。

新システムへの刷新によって得られた効果は?

伊藤氏

まずは紙の削減です。システム稼働直前の5ヶ月(2022年8~12月)と稼働開始2年後の同期間(2025年8~12月)を比較すると、帳票の印刷枚数が321万枚から約199万枚へと削減されました。 BIZXIM製番と連携するintra-mart®のワークフロー活用によって、システム内で業務が完結するようになった効果が示されました。
また、受注処理について、オーダー番号が“枯渇”する問題はなくなりました。人に依存していた採番やデータ入力などの作業がすべてシステム化されたことで、受注から登録まで最大3日間を要していたタイムラグも解消されています。 結果、生産への指示出しも格段にスピードアップしています。
加えて月次の締め作業に費やしていた時間も、3日から1日へと短縮されています。これに伴い、情報システム部全体での定型業務工数も大幅に削減されており、生み出された時間は、セキュリティ対策の強化や新たなシステムの企画・開発、DX推進など、より付加価値の高い業務に充てられています。

北川氏

現場の業務面では、データ活用に対する社員の意識が高まっています。最新データを簡単に得られるようになり、たとえば生産の進捗状況をBIツールのダッシュボード上でリアルタイムかつ正確に把握できるようになりました。 また、BIZXIM製番のデータをExcelに取り込んで、自分なりの視点で加工・分析する担当者も増えています。特に若い社員からは、システムのアーキテクチャーまで理解したうえで、「この機能をこう改修すればもっと使いやすくなる」といった改善要望が挙がるケースもよくあります。

今後のシステム拡張に向けた構想は?

櫻木氏

経営面における最大のテーマは、原価管理精度の向上です。当社が主力製品としている配電盤・制御盤・分電盤の中には、受注から納品までに2~3年の長期間を要する大規模な物件もあり、その間にも材料費の高騰や為替変動などが起こります。 そこでお客様に対して、再見積もりや価格交渉を行うのですが、そこでの根拠として精緻な原価管理が不可欠です。また、営業担当者の利益率評価においても、原価は重要な基礎データとなります。
BIZXIM製番に蓄積されたデータをもとに、より精緻な原価管理を実現することで今後の営業戦略を強化し、収益力を高めていきたいと考えています。

北川氏

生産本部では、工程管理システムとの連携や、バーコードを活用した製造プロセスのスマート化など、さまざまな要望が現場からも寄せられています。 これを受けて、BIZXIM製番をより効率的に活用できるよう改善・改修を続けており、工場内の作業者も新システムのメリットを日常的に享受し、体感できる環境を整えていこうとしています。