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データドリブン経営で社会・消費者のニーズに応える企業になる

 |  データドリブン

企業の経営者や意思決定を担う立場の人は、長年のキャリアと多様なケースを乗り越えてきた経験知によって経営方針を決めることが少なくないでしょう。そうした経験知と経営者としての磨かれた勘によって意思決定することは、ときには企業の強さ、経営者の求心力につながります。しかし、 VUCA(ブーカ、未来の予測が困難な状況)と呼ばれる現代のように不安定要素が多く、社会情勢の変化、消費者の思考の変化が多様で激しい時代においては、蓄積されたデータから時代や社会のニーズを読み解き、的確に対応する体制を整えておく必要があります。その手法がデータドリブン経営です。 今回は、データドリブン経営とはどういった手法なのか、どういった効果が期待できるのか紹介します。

経営方針をデータから導き出すデータドリブン経営

データドリブンの手法を経営に利用することをデータドリブン経営といいます。

データドリブンとは、企業が蓄積している膨大なデータを企業活動において競争力を高め、課題解決するために活用する一連のプロセスをさす言葉です。 データドリブンの特徴は膨大なデータのなかから必要なデータを抽出して、それを基に意思決定をすることです。

企業活動の方向性を決めたり、人材をいかに効果的に活用するのかを見定めたり、経営における意思決定は重要です。そのため、現状を把握し、より的確で論拠をもった意思決定が求められます。つまり、データドリブン経営で利用するデータは、顧客の消費活動や属性といったデータをはじめ、売上のデータ、市場動向を示すデータなど多様なものが必要になります。こうした多様で膨大なデータから客観的で再現性のある判断を行うために有効だとされているのがデータドリブン経営なのです。

データドリブンに関連する記事はこちらをご参照ください。

https://www.nttdata-kansai.co.jp/media/category/data-driven.html

データドリブン経営の効果

経営をするうえで重要なこととはなんでしょうか。それはスピーディに的確に現状を把握し、客観的な論拠に基づいて意思決定をすることです。

ところが、従来、日本の企業においては、経営者の経験知による勘、熱意あるいは、現場の担当者の勘を基に意思決定がなされてきました。それは当てずっぽうな決定ではなく、長年の経験から導き出された、統計的な結論であるともいえるものなので、多くの場合、望ましい結果に導くものでもありました。しかし、そうした属人的な判断による意思決定が成功した背景には、社会情勢が安定していたことや顧客の消費行動が比較的標準的であったことが考えられます。現代のような変化の激しい社会や市場、顧客ニーズの多様化、個性化が見られる時代においては、一部の人間による属人的な判断では適切に意思決定ができるとは考えにくくなっています。こうした社会変化にともなって注目されているのがデータドリブン経営なのです。

では、ビッグデータを必要に応じて分析をし、経営に活用するデータドリブン経営は、経営に必要な判断を的確に促す手法なのでしょうか。具体的にどのような効果をもたらすのか確認しておきましょう。

ビッグデータを活用した経営判断についての詳細は、以下の記事を参考にしてください。

ビッグデータの種類や使い方を解説。有効活用して迅速な経営判断を。

https://www.nttdata-kansai.co.jp/media/017/

客観的な経営判断を可能にする

変化が激しく、価値観が多様化した現代では、企業の方向性を決めたり、新商品の開発・展開を決定したりする際に数値に基づいた論理的な判断が重要でしょう。 データドリブンは膨大なデータを活用して、必要に応じた分析を行い、それを基に客観的な結論を導き出すための手法です。そのため、従業員を納得させることのできる論理的な判断を下せるのです。

社会・顧客(消費者)のニーズを的確に捉えることができる

データドリブンを用いることで、複雑な要因を分析し、ニーズを探ることが可能になると言えます。 データを基に、どのような動きをするのか、どういった行動パターンがあるのか、などの市場動向や消費行動を推測し、的確に判断する必要があります。

人材を有効に活用できる

蓄積されたデータから自社がもっている強み・魅力・資産(ヒト・カネ・モノ)を可視化することができるようになります。現場にいる従業員の熟練の技と呼ばれる勘などを頼りに、企業活動が成り立っていた状況では、その経営者でないとわからないことや、その現場担当者でないと判断できないことが存在し、人材の固定、属人化が起こりました。データドリブン経営が実現されると、 自社の強みや課題がデータ分析によって明らかになるため、強みを強化し、課題を克服するための人材活用が可能になります。

データドリブン経営を成功させるためのポイント

データのサイロ化を防ぐ

データのサイロ化というのは、部署や部門において、それぞれが別の業務を行っているため、コミュニケーションが部署を超えてとれていない場合や、お互いに必要な情報であっても、ある部署にのみその情報が留まって、全体に共有されていない状況のことをさします。

データのサイロ化は、従業員同士のコミュニケーション不足や部署ごとの孤立といった原因のみならず、使用されているシステムやアプリケーションが互いに連携できないために起こっているケースがあります。

データのサイロ化が起こると、情報伝達が滞りやすくなり、データドリブンに活用できません。

人的、組織的、システム的にスムーズなデータ活用ができる状態であるかを確認しておく必要があります。

データ活用できる組織を作る

データ活用が必要であることをすべての従業員が理解し、納得している状況でないと、経営と現場でうまく意思が伝わらないことにもなります。いいかえれば、データ活用の必要性と、データ活用方法を経営者も従業員も理解しておく必要があるのです。そのための教育を行い、主観や長年の勘に頼るのではなく、客観的な意思決定によって活動をすることを、企業文化として定着させていく必要があります。

データを使えるシステムを構築する

データドリブン経営を行うには、前提としてデータを蓄積していく必要があります。また、蓄積されたデータを目的に応じて分析し、使える情報として見える化することも重要です。こうしたデータを扱える環境、システムを構築します。

さらに、システムを構築し、運用し、メンテナンスなどにも対応できる人材の確保も欠かせません。2022年の時点でDX推進に取り組む企業は多いですが、多くの企業が抱えている課題としてDX人材の不足があげられます。同様に、データドリブン経営を実施するにも、データの分析方法やシステムの運用方法など、さまざまな専門的な知識と技術をもった人材を確保しなくてはなりません。

従業員のなかから適性をみつけて教育するのもひとつですが、DX支援企業やデータ活用をサポートしてくれる専門企業と連携するのも方法です。自社に適したやりかたで、システムを含めた組織構成を見直しましょう。

DX人材についての詳細は以下の記事を参考にしてください。

https://www.nttdata-kansai.co.jp/media/018/

DX支援企業についての詳細は以下の記事を参考にしてください。

https://www.nttdata-kansai.co.jp/media/020/

組織全体のコミュニケーション力を高める

データを活用して、使える状態にしても、情報が部署内のみ、あるいは経営と現場で齟齬が生じている状態ではデータの価値を十分に活かせません。 重要なのは情報が正確に共有される組織であることです。 コミュニケーションツールを活用することや、部署や役職の垣根を越えたコミュニケーションができる組織を構築することも必要になるでしょう。

まとめ: データを活用したデータドリブン経営で、競争力をつける

競争力を高め、自社の強みを活かした企業活動を行うためには、社会や顧客がいま何を自社に求めているのかを的確につかむ必要があります。経営者の判断はそれだけ重要になっているのです。従来なら、経営者の経験知と勘が企業活動の方向性を決定し、それが成功することも少なくなかったでしょう。また、そうしたことが経営者のカリスマ性を高める要因にもなっていたと考えられます。しかし、膨大な情報が蓄積され、瞬時に情報がやり取りされる時代においては、社会や顧客の求めるものも、短期間で、多様に変化をします。そうした 激しい流れを遅れることなく理解し、つぎにつなげる判断をするためには、データの活用は不可欠です。 自社の現状を見直し、データを活用できる体制を構築することは今後の企業成長を左右する大きなポイントでもあります。

データドリブン経営体制を整え、成長できる組織をめざしましょう。