【ローコードvsノーコード】開発手法の違いとメリットを比較!DX実現への近道

ローコード開発とノーコード開発は、プログラミングの専門知識が少なくてもアプリケーション開発を可能にする手法です。ノーコードは完全にコード不要で初心者向け、ローコードは最小限のコードで柔軟なカスタマイズが可能という違いがあります。
国内市場は2028年には約2,700億円規模への成長が予測されています。特に、生成AIとの統合により開発の自由度が大幅に向上し、IT人材不足(2030年に約79万人不足)への対策として、多くの企業が導入を進めています。
ローコード開発とノーコード開発にはそれぞれ特徴やメリット・デメリットがあり、自社に適した手法を選ぶことが重要です。本記事では、ローコード開発とノーコード開発の違いを明確にし、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。また、実際の開発事例を通して、これらの手法がどのように活用されているのかを紹介します。
社内のデジタル化を推進し、DXを実現するための有効な手段として、ローコード開発とノーコード開発について理解を深めましょう。
目次
ローコード開発・ノーコード開発とは?
ローコード開発とノーコード開発の大きな特徴はフルスクラッチ開発とは異なり、専門的なプログラミング知識がなくても開発が可能である点です。それぞれの特徴を見ていきます。
ローコード開発とは
ローコード開発は、アプリケーション開発に必要なコーディング作業をゼロから行うのではなく、最低限のソースコード(以下、「コード」)で開発ができる手法です。
ローコード開発では、ローコード開発ツールに備わっているテンプレートを使い、必要な機能を組み立てていきます。場合によっては、ある程度のプログラミング知識が必要になることもありますが、プログラミングを専門とするエンジニアでなくてもアプリケーション開発が可能です。
ローコード開発についての詳細は、下記の記事でも解説しています。
DX時代に不可欠!ローコード開発の基本とメリット・デメリットを解説
ノーコード開発とは
ノーコード開発は、アプリケーション開発にコードを一切必要としない開発手法です。
プログラミングの知識や技術がまったくない人でもアプリケーションを開発できることが大きな特徴です。通常、ノーコード開発ツールの画面操作だけで、必要な機能を搭載したアプリケーションが開発可能です。
ローコード開発とノーコード開発の違い
ローコード開発とノーコード開発の違いを表で理解しておきましょう。
| ローコード | ノーコード | |
|---|---|---|
| コードの 記述 |
必要に応じて記述する。 | 基本的に必要なし。 |
| 開発コスト | 開発ツール自体のコストは比較的高いが、カスタマイズの自由度が高いため長期的には費用対効果が良い。 ただし社内に適切なスキルを持つ人材がいない場合、人材コストが追加で発生する可能性がある。 |
開発ツール自体のコストは低いが、カスタマイズ性が低いため、要件によっては追加コストが発生する。 社内に適切なスキルを持つ人材がいない場合でも、人材コストは比較的低い。 |
| 開発期間 | 開発期間は比較的短い。 ただし、社内に適切なスキルを持つ人材がいない場合、開発期間が長くなる可能性がある。 |
開発期間は非常に短いが、要件によっては実現できない場合がある。 社内に適切なスキルを持つ人材がいなくても、開発期間への影響は比較的小さい。 |
| メリット | ある程度のカスタマイズが可能。 拡張性が高い。 他システムとの統合が比較的容易。 |
基本的にプログラミングスキルが不要だが、ツールの使い方は学ぶ必要がある。 メンテナンスが容易。 開発期間が非常に短い。 |
| デメリット | 簡易なプログラミングスキルが必要。 一定のメンテナンスが必要。 社内に適切なスキルを持つ人材がいない場合、コストや開発期間に影響する可能性がある。 |
カスタマイズの自由度が低い。 拡張性が限られる。 他システムとの統合に制限がある場合がある。 |
| 適した用途 | 複雑なロジックやカスタマイズが必要な場合。 | シンプルで定型的な業務プロセスの自動化に適している。 |
表で示した通り、ローコード開発とノーコード開発はどちらも、アプリケーション開発をする際に専門的なプログラミング知識や技術を必要としないという特徴があります。また、両者とも開発ツールにあらかじめ用意されているテンプレートや部品を使い、それらを組み立てることで、アプリケーションに必要な機能を搭載できる仕組みになっています。
機能のカスタマイズ自由度という点では、ローコード開発のほうが高いといえます。ただし、自由度を高めるためには、ある程度のプログラミング知識が必要になります。
ローコード開発・ノーコード開発のメリットとデメリット
それぞれの開発手法のメリット・デメリットについてさらに詳しく見ていきましょう。
ローコード開発のメリット・デメリット
メリット
専門知識を持つエンジニアに依頼する必要がないため、アプリケーション開発のコストや期間を削減できます。
ローコード開発では、必要に応じてコードを使ってプログラミングし、機能を補えるため、実装できる機能の自由度が高いといえます。また、開発後も必要に応じて拡張や改修を行えます。
デメリット
ローコード開発では、専門的なプログラミング知識は必要ありませんが、自社に適した機能をアプリケーションに搭載したい場合などは、ある程度のプログラミング知識が必要になることがあります。また、開発ツールを使いこなすための技術も必要です。
ローコード開発のメリットについては、下記の記事で詳しく解説しています。
ローコード開発の4つのメリット!注目されている理由と成功のポイントも解説
ノーコード開発のメリット・デメリット
メリット
プログラミングに必要なコードを使わないので、プログラミングの知識がない人でもアプリケーションを開発できます。業務を担う現場の従業員がエンジニアでなくても、必要な機能を実行するアプリケーションの開発を手がけることも可能です。
開発するまでの期間が短いこと、開発費用が削減できることもメリットといえるでしょう。
コードを使ったプログラミングを必要としないので、コード記入ミスなどによるバグの発生も抑えられます。
デメリット
プログラミング知識がなくてもアプリケーション開発ができる反面、ノーコード開発ツールのプラットフォームで用意されている機能しか利用しないため、自由度が低いことがデメリットです。アプリケーションに追加したい機能があっても、プラットフォームで対応していない機能は追加ができません。
ローコード開発・ノーコード開発がいま注目されている理由
ローコード・ノーコード開発が多くの企業において注目されている理由を、2つの観点から探ってみましょう。
人材不足の加速
ローコード・ノーコード開発が注目されている理由のひとつに、加速する人材不足の問題があります。近年、日本では、生産年齢人口の減少と超高齢社会を迎えています。労働力として確保できる人材は、今後も減少し続けるでしょう。
経済産業省の予測によると、2025年には約43万人、2030年には最大約79万人のIT人材が不足すると見込まれています。業務効率化のために開発を予定しているアプリケーション開発を担うIT人材も深刻に不足しています。このような状況を踏まえ、専門的なプログラミング知識を持たない人でもアプリケーション開発を担える開発手法が注目されているのです。
DXの促進
DXは、単なる業務のデジタル化にとどまらず、ビジネスモデルの変革によって新しい価値創造ができる体制を構築することが目的です。そのためには、既存の業務フローにおける課題を明確にした上で、ヒト・モノ・カネを適切に分配できるよう改善施策を構築・実施する必要があります。
また、DXを実現するためには、ビジネスモデルを改革できるだけのシステムやアプリケーションも必要です。こうしたシステム開発の手段のひとつがローコード開発とノーコード開発です。
今後、レガシーシステムを刷新し、使い勝手のよいアプリケーションを開発することは避けられません。このような状況において、短時間での開発が可能で、専門的なエンジニア以外でも開発を担えるローコード開発とノーコード開発は非常に有効な手法だと考えられているのです。
DXについての詳細は、以下の記事でも解説しています。
DX徹底解説。定義と目的、導入時の手順と課題のほか、成功事例を紹介
また、下記ではローコード開発プラットフォームを活用したDX推進をテーマに注意点やポイントを語っています。
ローコード開発・ノーコード開発ツールの選び方
ローコード・ノーコード開発ツールの選び方について確認しておきましょう。
課題解決への有効性
自社の課題を解決できるかどうか、機能や効果を事前に確認することが重要です。
ローコード・ノーコード開発は、基本的に開発ツールに用意されているテンプレートや部品を組み合わせて、アプリケーションに機能を搭載していきます。そのため開発に取り組みやすい一方、できることには限りがあります。
たとえば、複雑で大規模なアプリケーションの開発には不向きです。そのため、解決したい課題を明確にし、その課題解決に有効な機能が開発できる開発ツールを選ぶ必要があります。
使いやすさ
ローコード・ノーコード開発を進める上で、開発ツールを十分に操作できるかどうかは大きなポイントです。そのため、開発ツールの操作性やわかりやすさを確認しておくことが重要です。
また、アプリケーション開発後に業務の変更などに合わせて修正や改修する場合もあるため、開発後の対応のしやすさも確認しておきましょう。
コスト
ローコード・ノーコード開発を活用するメリットのひとつがコスト削減です。フルスクラッチ開発でゼロからプログラミングする場合と比べ、コストを抑えられないと意味がありません。
ただし、コストは抑えられるものの、十分な機能が得られない状況では、コスト削減の意味がありません。価格と活用効果のバランスを考慮する必要があります。
サポートの充実度
ローコード・ノーコード開発ツールの活用を考えている場合、基本的にシステムやアプリケーションを内製化することを検討している状況でしょう。プログラミングに精通したエンジニアが十分に確保できていないかもしれません。
そのような環境で開発を行う場合「開発ツールの操作がわからない」「思ったような機能を実装できない」など、対応できない事態が発生することが懸念されます。そのような際に、開発ツールを提供しているベンダーからどの程度のサポートが得られるかは重要な確認ポイントです。ローコード・ノーコード開発ツールを活用してアプリケーションを内製化する際に、開発サポートやアドバイスを受けられるかどうかも事前に確認しておきましょう。
サポート付きの開発ツールを利用したいという方は、NTTデータ関西が提供する「intra-mart」もおすすめです。ローコード開発機能やワークフロー開発機能など多くのモジュールを保有し、業務に合わせたカスタマイズが容易で、システム間の連携がしやすいのが特徴です。
また、システム企画から開発、教育・研修、運用・保守まで、システムライフサイクル全体をサポートする「intra-mart内製化支援サービス」もあわせて提供しています。豊富な実績とノウハウを生かしたコンサルティングで、内製化を加速いたします。
ローコード vs ノーコード:どちらを選ぶべき?判断基準
ローコード開発とノーコード開発、どちらを選ぶべきか迷っている企業も多いでしょう。ここでは、企業規模、業種、プロジェクトの特性に応じた選択基準を具体的に解説します。
企業規模別の推奨
企業の規模によって、最適な開発手法は異なります。以下の表を参考に、自社に適した選択をしましょう。
| 企業規模 | 推奨手法 | 理由 | 具体的な活用例 |
|---|---|---|---|
| スタートアップ (社員数~50名) |
ノーコード→ローコード | 初期はノーコードで素早くMVP(最小機能製品)を構築。事業拡大に伴いローコードへ移行することで、柔軟な拡張が可能 | 顧客管理、問い合わせ対応、簡易的な業務管理 |
| 中小企業 (社員数50~500名) |
ローコード(推奨) | 業務の複雑化に対応でき、既存システムとの連携も容易。将来的な拡張性を確保しながら開発コストを抑制できる。 | 販売管理、在庫管理、ワークフロー、基幹システム周辺の業務アプリ |
| 大企業 (社員数500名~) |
ローコード(推奨) | 複雑な業務プロセスや部門間連携に対応可能。セキュリティ要件やガバナンス体制の構築もしやすい。ノーコードは部門単位の小規模アプリに限定。 | 全社ワークフロー、データ統合基盤、基幹システムとの連携アプリ |
業種別の適性
業種によって求められる機能や複雑性が異なるため、適した開発手法も変わります。
| 業種 | ノーコード適正 | ローコード適正 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 製造業 | △ | ◎ | 生産管理、品質管理など複雑なロジックと既存システム(ERP、MES)との連携が必要。 |
| 小売業 | ◯ | ◎ | 在庫管理、POSシステム連携など、店舗間のデータ統合と柔軟なカスタマイズが求められる。 |
| 医療・介護 | △ | ◎ | 患者情報の厳格なセキュリティ管理、電子カルテとの連携、法規制への対応が必要。 |
| 金融業 | △ | ◎ | 高度なセキュリティ要件、複雑な与信ロジック、基幹システムとの緊密な連携が不可欠。 |
| IT・サービス業 | ◯ | ◎ | 顧客ごとのカスタマイズ対応、複数システム間のAPI連携など柔軟性が重要。 |
| 建設業 | ◯ | ◎ | 現場報告など定型業務はノーコード、工程管理など複雑な業務はローコード。 |
| 教育 | ◎ | ◯ | 出欠管理などシンプルな用途はノーコード、学習管理システムなどはローコード。 |
プロジェクト特性による判断基準
開発するアプリケーションの特性によっても、最適な選択は変わります。
| 判断項目 | ノーコードが適している | ローコードが適している |
|---|---|---|
| システムの複雑度 | シンプルなCRUD操作(作成・読取・更新・削除)のみ | 複雑なビジネスロジック 条件分岐が多い処理 |
| 既存システムとの連携 | 連携不要、またはプラットフォームが標準対応している範囲のみ | 複数の既存システムとAPI連携 レガシーシステムとの接続 |
| カスタマイズの必要性 | テンプレート機能で十分で、大きな変更の予定がない場合 | 企業独自の要件が多い 将来的な機能追加が見込まれる |
| データ量 | 小~中規模(数千~数万レコード程度) | 中~大規模(数十万レコード以上) 高速処理が必要な場合 |
| セキュリティ要件 | 一般的なレベルで問題ない | 高度なセキュリティが必要 細かいアクセス制御が必要 |
| 開発期間 | 数日~数週間で素早くリリースしたい | 1~3ヶ月以上かけてしっかり構築したい |
| 開発者のスキル | プログラミング知識なし | 簡単なプログラミング知識あり、またはこれから学習予定 |
ローコード開発・ノーコード開発の事例
ローコード・ノーコード開発が現場でどのように活用されているのか、具体的な事例をみてみましょう。
ローコード開発事例:ワークフローをデジタル化、業務効率化とガバナンス強化を実現(株式会社日本触媒)
株式会社日本触媒では、基幹システムの刷新にあたり、ERPのフロントソリューションとしてローコードプラットフォーム「intra-mart」と「intra-mart Accel Kaiden!」を採用しました。
これにより、複雑でアナログだったワークフローのデジタル化と効率化を実現し、ペーパーレス化やリモートワーク推進に貢献しました。旅費・経費精算の事務処理時間も約6〜7割削減され、社内ユーザーの利便性向上や問い合わせ件数の大幅な減少を達成。全社共通の統合プラットフォームがITガバナンス強化と限られたIT人材の有効活用につながっています。
▼この事例の詳細は次の記事をご参照ください。
ローコード開発事例:ワークフローを統合し、業務の標準化を推進(三洋化成工業株式会社)
三洋化成工業株式会社では、基幹システム刷新に伴い、メインフレームからSAPのERP「S/4HANA」へ移行しました。この際、業務システムごとに乱立していたワークフローを統合する必要があり、「intra-mart」をフロントシステムとして採用しました。ローコード開発ツールを活用し、複雑なワークフローも柔軟に実装可能な統一基盤を構築。結果として、業務システムのワークフローが一本化、操作性が統一されてユーザーの利便性が向上しました。
運用保守業務の属人化の解消に大きな効果があり、標準化とナレッジ共有が進みました。部品化されたローコード環境によりERPフロントのメンテナンス性が向上し、機能追加や改修も迅速に対応可能となっています。
▼この事例の詳細は次の記事をご参照ください。
ノーコード開発事例:|巨大倉庫の在庫管理をスマート化(中堅物流企業)
従来、B社の物流倉庫では紙媒体による棚卸リストを作成し、毎日の在庫管理を行っていました。しかし、紙の棚卸リストでは、リストの受け渡しのための倉庫内の移動や在庫照合の目視チェックが必要となり、そのための長時間の作業が発生していました。また、この目視によるチェックでは、人的ミスが起こりやすく、倉庫在庫管理の精度向上が課題となっていました。
一方で、紙の棚卸リストをデータ化して管理ができるアプリケーションを開発するにしても、初期投資や開発期間がネックとなり、実行には至っていなかったのです。
こうした状況を打開したのが、ノーコード開発によるアプリケーション開発です。アプリケーション開発後は、アプリ上で在庫数を共有できるほか、リスト受け渡しの時間も削減でき、在庫照合も自動化したので人的ミスもなくなりました。また、現場の改善案をアプリケーションに反映しやすいノーコード開発なので、業務改善に直結しやすい点も活用の効果として現れています。
ローコード開発・ノーコード開発の将来性と課題
ローコード開発とノーコード開発は、私たちの働き方を大きく変える可能性を秘めています。これらの開発手法は、プログラミングの専門知識がなくても、アプリケーションを素早く開発できるという強みがあります。IT人材不足に悩む多くの企業にとって、まさに待ち望んでいた解決策ともいえるでしょう。
市民開発者(シチズンデベロッパー)の時代へ
想像してみてください。アイデアを持っている現場の社員が、自分たちで必要なアプリケーションを作れる環境を。それは、イノベーションの種が社内のあちこちで芽吹き、新しい価値が次々と生み出される、ワクワクするような未来ではないでしょうか。
ローコード開発とノーコード開発は、こうした未来を実現するカギを握っています。専門家でなくても、アプリケーション開発に参加できるようになれば、社員一人ひとりのアイデアが形になり、業務の効率化やお客様満足度の向上につながっていくはずです。
生成AIとの統合による新たな可能性
現在、ローコード・ノーコード開発の世界は大きな転換期を迎えています。生成AIとの統合が急速に進んでおり、開発の可能性がさらに広がっています。
従来のローコード・ノーコード開発ツールは、あらかじめ用意されたテンプレートや機能で効率的にカスタマイズが行える反面、企業固有の細かいニーズに対応しきれない場合がありました。しかし、生成AIの登場により、この課題が解消されつつあります。
自然言語で「こんな機能が欲しい」と指示を与えるだけで、AIが自動的にコードを生成してくれます。これにより、エンジニアでなくても、業務やサービスに適した高度なアプリケーションを短期間で開発することが可能になっています。
拡大する市場規模と今後の展望
市場動向からもローコード・ノーコード開発の勢いが見て取れます。IDC Japanによると、国内のローコード/ノーコード開発市場は2028年度には約2,700億円規模にまで拡大すると予測しています。
特に注目すべきは、クラウドサービス型のツールの成長です。Microsoft Excelの代替として利用できるシンプルなものから、モバイルアプリ開発に特化したもの、コーディングも可能な高度なものまで、バリエーションが豊富になっています。この多様性により、大企業から中小企業まで、それぞれのニーズに合わせた導入が進んでいます。
参考:国内ローコード/ノーコード開発テクノロジー市場予測を発表~生成AIの活用がLOB開発を促進
克服すべき課題
これらの開発手法にも課題はあります。実装できる機能に限界があったり、ある程度のプログラミング知識が必要になったりします。また、開発ツールを便利に使いこなすには、社員のITリテラシーを向上させ、デジタル化に対応した企業文化を築いていくことも重要です。
特に、生成AIと統合されたツールを効果的に活用するには、適切な指示(プロンプト)を与えるスキルやAIが生成したコードを検証する能力も求められるようになっています。
さらに、ガバナンスの課題にも注意が必要です。誰でも開発できるようになった結果、情報システム部が把握していないアプリケーションが乱立する「野良アプリ化」やセキュリティリスクの増大といった問題も指摘されています。品質管理や開発権限の管理などのルール策定、開発の標準化、適切な教育やトレーニングが重要になっています。
持続的な成長に向けて
これからの時代、これらの開発手法は欠かせないものになると予想されます。課題をひとつずつ乗り越え、全社一丸となって取り組めば、きっと大きな変革を起こせるでしょう。生成AIとの統合により、ローコード・ノーコード開発はさらに進化を続けています。技術の進歩と市場の拡大が相まって、企業のDX推進を強力に後押しする存在となっていくはずです。
まとめ:ローコード・ノーコード開発を活用し、効果的なアプリケーション開発を
人材不足や日々の業務に忙殺されるなか、自社に最適なアプリケーション開発を行いたい場合、ローコード・ノーコード開発は有効な手段です。メリットとデメリットがあることを十分理解し、うまく活用することが成功への近道です。特に開発ツールとベンダーの適切な選択が重要な要素となります。
ベンダーを選択する際は、自社内製を支援してもらえるかどうか、十分な実績があるかどうかを見きわめましょう。ベンダーに相談しながら、課題の洗い出しと解決するための方法を計画的に行うことで、DX推進にもつながる業務改善を実現できます。
NTTデータ関西は「intra-mart内製化支援サービス」を提供しており、開発の内製化を支援しています。
intra-martは、ローコード開発機能やワークフロー開発機能など多くのモジュール(機能部品)を保有、デジタル化や自動化などを行い、多様な業務のDX推進に取り組めるシステム共通基盤(業務改善プラットフォーム)です。業務に合わせたカスタマイズが容易で、開発が速く、システム間の連携がしやすいのが特徴です。
intra-mart内製化支援サービスは、このintra-martを活用し、お客様によるシステム企画、開発、教育・研修、運用・保守まで、システムライフサイクル全体をサポートします。豊富な実績とノウハウを生かしたコンサルティングや開発を効率化させる部品群の提供で内製化を加速いたします。
intra-mart並びにintra-mart内製化支援サービスの担当者インタビューもあわせてご参照ください。








