DXに必要不可欠な7つのデジタル技術!適切な技術の選び方も解説
デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現には、クラウドサービス、AI、IoT、ビッグデータなど、 適切なデジタル技術の選定と活用が不可欠 です。
DXは、企業が競争力を維持・強化するために欠かせない取り組みですが、技術選定を誤ると、投資対効果が得られないリスクもあります。
そこで、本記事では、DXを支える7つの主要技術の特徴を詳しく解説するとともに、自社に最適な技術を選ぶためのポイントを紹介します。
DX推進の遅れは、競合他社に業績の差を広げられてしまう危険性もあります。いち早く行動を起こせるよう、ぜひ本記事を通してDXへの理解を深めてください。
DXにおけるデジタル技術とは?
DXとは、デジタル技術を活用して企業の事業モデルや業務プロセス、組織文化などを変革することです。単なるIT化やオートメーション化とは異なり、ビジネスの本質な変革を促すものです。
そのDXを推進するのに非常に重要な要素の一つがデジタル技術です。
業務の効率化や顧客体験の向上など、DXの目的にあわせてさまざまなデジタル技術のなかから自社にマッチするものを選定します。
DXの概要については、以下の記事をご参照ください。
DX徹底解説。定義と目的、導入時の手順と課題のほか、成功事例を紹介
DXを実現する7つの技術
DXは、以下の7つのような技術を使って実現されます。
- クラウドサービス
- 人工知能(AI)
- IoT
- ビッグデータ
- 5Gネットワーク
- デジタルツイン
- ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)
技術の概要について解説していきます。
クラウドサービス
クラウドサービス(以降:クラウド)は、インターネット上にあるサーバーやストレージ、アプリケーションなどのITリソースを、ネットワーク経由で利用するサービスです。クラウドを活用することで、初期投資や維持コストを抑えつつ、柔軟かつ迅速にシステムを構築・運用できます。また、リソースの調達や拡張が容易なため、ビジネス環境の変化に合わせて機動的にIT基盤を最適化できるというメリットもあります。
クラウドには、インフラストラクチャ(IaaS)、プラットフォーム(PaaS)、ソフトウェア(SaaS)の3つのレイヤーがあり、用途に応じて使い分けることが一般的です。DXを進めるうえでは、クラウドファーストの発想で、できる限りクラウド上にシステムを構築していくことが望ましいといえるでしょう。
DX推進におけるクラウド活用の概要は、以下の記事をご参照ください。
NTTデータ関西では、クラウドの「おまかせ」ワンストップサービス「xCooS(クロスコース)」を提供しております。 クラウドの構築コンサルティングから、監視・保守運用までをサポート いたします。「すでにAWSを活用しているが、うまく活用できていない」という企業様にはチェックを行う診断メニューもご用意しております。
▼xCooSの詳細について
人工知能(AI)
人工知能は、人間の知的な行動を模倣したり、それを超える高度な情報処理を行ったりするコンピューター技術の総称です。機械学習やディープラーニング、自然言語処理、画像認識、音声認識などの要素技術から成り立っており、ビジネスのさまざまな場面で活用されています。
AIを活用できる業務は、以下のように多岐にわたります。
- 需要予測
- 在庫最適化
- 故障予知
- 不正検知
- 顧客対応の自動化
また、AIを活用したレコメンデーションやパーソナライゼーション、チャットボットなどにより、顧客体験の向上も期待できます。DXを加速するためには、AIをいかに戦略的に導入・活用していくかが重要な鍵を握るでしょう。
NTTデータ関西では、 AIを活用した異音検知ソリューション「IOTone」 を提供しております。NTT研究所の音声特許技術を用いて、周辺の雑音を抑制し、さらにAI解析によって人の聞きわけを代替します。
▼IOToneの詳細について
IoT
IoTは、センサーやデバイスをインターネットに接続し、そこから得られるデータを活用して新たな価値を創出する仕組みです。業界業種問わず、さまざまなシーンで活用されています。
例えば、製造業における設備の予知保全や、小売業での需要予測、物流の最適化などがあるでしょう。
IoTシステムを構築する際は、データを収集するためのセンサーやデバイス、それらを接続するネットワーク、データを蓄積・処理するクラウドプラットフォーム、データを分析・可視化するアプリケーションなど、複数の要素を組み合わせる必要があります。また、セキュリティやプライバシーの確保、大量データの管理といった課題にも留意が必要です。DXの文脈では、IoTを通じてリアルタイムにデータを収集・活用し、ビジネスの最適化や自動化を進めていくことが求められます。
DXとIoTの関係性や、製造業におけるDXについては以下の記事もご参照ください。
ビッグデータ
ビッグデータとは、従来のデータベース管理システムでは処理が難しい、大容量かつ多様で高速に生成されるデータを指します。
ビッグデータを効果的に活用することで、これまで見えなかった洞察を得たり、リアルタイムな意思決定を行ったりできます。
例えば、顧客行動分析や需要予測、設備の予兆保全、不正検知に活用できるでしょう。AIやマシンラーニングと組み合わせることで、さらに高度な分析も可能になります。
ビッグデータの活用方法や種類については、以下をご参照ください。
ビッグデータの種類や使い方を解説。有効活用して迅速な経営判断を
また、NTTデータ関西では、 データ分析や活用をサポートする「データ分析・活用ソリューション」 を提供しています。 構想の策定から構築・運用までトータルサポート いたします。
▼データ分析・活用ソリューションの詳細について
▼ご利用企業様インタビュー
NTTドコモの「全社データドリブン経営」推進を支える、NTTデータ関西のダッシュボード開発、データマネジメント支援
5Gネットワーク
5Gは、「高速・大容量」「低遅延」「多数同時接続」を特徴とする次世代の移動通信システムです。5Gの登場により、モバイルデータ通信の速度は飛躍的に向上し、リアルタイムでの大容量データのやり取りが可能になります。
この特性を活かすことで、IoTデバイスの大規模接続、高精細な動画配信、VR/ARアプリケーションの利用、自動運転車の制御など、これまでは実現が難しかったさまざまなユースケースが実現可能になると期待されています。
DXにおいては、5Gを活用したデータ収集・分析基盤の構築や、新たなデジタルサービスの創出が重要なテーマとなります。例えば、 スマートファクトリー における設備の遠隔監視・制御、スマートシティにおける交通最適化、遠隔医療における高精細な診断など、5Gの特性を活かした様々な取り組みが進むことが予想されます。
また、 5GはWi-Fi技術と組み合わせることで、より強固で効率的な情報インフラの構築を実現 できます。5Gのネットワークが混雑したり、電波が届きにくかったりするシーンでも、高性能なWi-Fiがあれば常に快適な通信環境を構築できるでしょう。
NTTデータ関西が提供する 「DX Wi-Fi」は、1台で長距離・広範囲なエリアをカバーできるソリューション です。DX推進やコストの削減を加速させます。概要は以下をご参照ください。
▼DX Wi-Fiの詳細について
以下では、DX Wi-Fiの導入事例も紹介しています。
▼導入事例について
デジタルツイン
デジタルツインとは、現実世界の物理的なモノ、システム、プロセスなどをデジタル空間上に再現し、シミュレーションや分析、制御などを行う技術です。センサーデータや IoT、AI などを活用して、現実とデジタルの同期を図ることで、ビジネスの最適化や自動化、新サービスの創出などが可能になります。
例えば、製造業では、工場や生産ラインのデジタルツインを構築し、生産性や品質の向上、予知保全などに活用できます。また、都市計画や交通システム、ヘルスケアなどの分野でも、デジタルツインの適用が進んでいます。DXを加速する上では、デジタルツインを戦略的に導入し、現実とデジタルのシームレスな融合を図っていくことが重要です。ただし、デジタルツインの構築には、高度なデータ収集・分析基盤と、ドメイン知識を持った人材も不可欠でしょう。
ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)
RPAは、人間が行っている定型的なPC操作をソフトウェアロボットに代行させる技術です。アプリケーションの操作や入力、データ転記など、 ルールベースで自動化できる業務に適しており、生産性の向上や人的ミスの防止 につながります。
RPAツールを使えば、プログラミングの知識がなくても、比較的容易に業務フローを自動化できるのが大きな特徴です。さらに、単純な繰り返し作業の自動化にとどまらず、AIと組み合わせることで、より高度な業務の自動化も可能になります。DXを進める上では、RPAを活用して定型業務を効率化し、人的リソースを高付加価値な業務にシフトさせていくことが望まれます。
NTTデータ関西でも、RPAツール「WinActor(ウィンアクター)」を提供しています。WinActorは、NTTグループの技術とノウハウを活用して開発したソフトウェア型ロボットです。 Windows上で操作可能なアプリケーションや個別の業務システムを利用した業務などを学習し、さまざまな業務の効率化を自動化 します。また、操作しやすいGUIを搭載しているため、システムの開発経験がない方でも簡単にご利用いただけるのも魅力です。
▼WinActorの詳細について
DX推進に有効なデジタル技術の選び方
DX推進を進めるためには、自社にとって有効なデジタル技術を選ぶ必要があります。
以下のポイントに注意して、技術を選ぶことをおすすめします。
- 自社の課題と目的に合致する技術を選ぶ
- 自社のリソースや制約を考慮する
- 外部パートナーの知見も活用する
DXをスムーズに成功まで進めたい方は必見の内容です。
自社の課題と目的に合致する技術を選ぶ
DXに取り組む際は、まず自社の抱える課題や達成したい目的を明確にし、それらに合致するデジタル技術を選ぶことが重要です。例えば、業務効率の向上が目的であればクラウドやAIの導入が効果的でしょう。一方、顧客体験の向上が目的であればデジタルツインやビッグデータの活用も有効でしょう。
技術ありきではなく、あくまでビジネス視点で技術を評価・選定することが重要です。
DXの目的や、その目的に基づいたDXの実施例は、以下の記事でも詳しく解説しています。
自社のリソースや制約を考慮する
デジタル技術の導入には、一定のコストや期間、人材などのリソースが必要となります。
自社の予算や体制、スキルセットなどを考慮し、現実的な範囲で技術を選定することが重要です。
また、レガシーシステムとの統合やセキュリティ、コンプライアンスといった制約事項にも留意しなくてはなりません。自社の状況を冷静に見極め、過度な投資や無理な導入を避けることが賢明といえるでしょう。
外部パートナーの知見も活用する
DXに必要な技術は多岐にわたり、すべてを自社だけで検討・導入するのは容易ではありません。ITサービスプロバイダーやスタートアップ企業など、外部パートナーの知見を積極的に活用することが有効です。
DXの成功事例や失敗事例、最新動向などについて情報交換し、自社に最適な技術選定やシステム設計につなげていきましょう。共創型のアプローチでDXを推進することが、スピードと品質を両立するうえで重要なポイントとなります。
DX支援サービスの概要や選ぶ際の注意点は、以下の記事をご参照ください。
NTTデータ関西でも、 適切な技術やシステムの導入をサポートする「IT構想策定サービス」を提供 しています。
サービスの特長や導入手法の詳細は以下をご覧ください。
▼IT構想策定サービスの詳細について
まとめ:DXの目的と自社の課題にあわせて適切な技術を選定しよう
DXを推進するうえで、デジタル技術の選定は非常に重要なポイントです。クラウドサービス、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、ビッグデータ、5Gネットワーク、デジタルツイン、RPAなど、DXを実現するための主要な技術は多岐にわたります。
技術選定の際は、以下のポイントに注意しましょう。
- 自社の課題と目的に合致する技術を選ぶ
- 自社のリソースや制約を考慮する
- 外部パートナーの知見も活用する
DXの成功事例や失敗事例、最新のトレンドなどを共有し、自社に最適なソリューションを共創していくことが、DXを加速するうえでのカギとなります。
DXはゴールではなく、継続的な取り組みです。デジタル技術を真の競争力につなげ、ビジネスの変革を実現しましょう。