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製造業向けERPシステムの選び方|生産形態で変わる必要機能と5つの判断基準

| 製造業

製造業向けのERPシステムとは、販売・購買・在庫・生産・原価・会計のデータを一元管理し、受注から出荷、会計までを一元管理する基幹システムです。同じ製造業でも、見込生産・受注生産・繰返生産・プロセス製造といった生産形態によって、ERPに求める機能は大きく変わります。自社の生産形態に合わない製品を選ぶと、アドオン開発が膨らみ、期待した効果も得られません。

本記事では、製造業向けERPシステムの基本と生産管理システムとの違い、生産形態別に必要な機能、比較の5つの判断基準、導入の進め方を整理しました。

製造業向けERPシステムとは?生産管理システムとの違い

製造業向けのERPシステムは、生産管理や部品表(BOM)、原価計算といった製造業特有の機能を、販売・購買・会計とあわせてひとつのシステムで一元管理します。生産管理システムが製造領域を担うのに対し、ERPは会社全体の業務をつなぐ点が違います。

主な機能には、販売管理・購買管理・在庫管理・生産管理・原価管理・会計管理の6つがあります。製品によっては、品質管理やトレーサビリティ、保守・アフターサービス管理まで備えています。ただし、ERPという言葉が指す範囲は、製品によって異なります。

ここでは、製造業向けERPと汎用ERPの関係、そして混同されやすい生産管理システムとの違いを整理します。

生産管理については、次の記事をご参照ください。

生産管理とは。その目的と業務内容を詳しく解説

製造業向けERPと汎用ERPの違い

汎用のERPは、業種を問わず使える会計・販売・購買などの機能が中心です。製造業向けERPは、これに加えて生産計画、所要量計算(MRP)、部品表、工程管理、原価計算を標準で備える製品が多いです。

ただし、両者の境界ははっきりしていません。汎用ERPにも生産管理モジュールを持つ製品は多く、業種別のテンプレートを用意する製品もあります。分類の名前より、自社の業務に標準機能でどこまで合うかで判断するのが現実的です。

製造業向けのなかにも、受注生産に特化した製品や、化学・食品に特化した製品があります。生産形態や業種を絞った製品ほど、該当する企業にとっては標準機能の適合度が高くなる傾向があります。

生産管理システムとERPの違い

生産管理システムは、生産計画・手配・工程・在庫など、製造現場の業務を管理するシステムです。ERPは、そこに販売・購買・会計までをつなげたものです。

違いがはっきり出るのは、お金とのつながりです。生産管理システム単体の場合、原価や売上のデータは会計システムへ別途連携します。連携が月次のバッチ処理だと、締め処理まで最新の利益を把握しにくくなります。

実際の構成は、ERPで一括管理するかたち、生産管理システムと会計システムを連携する形、汎用ERPに生産管理システムを組み合わせるかたちなどさまざまです。どれが正解かより、データがどこで途切れるかを確認することが大切です。

生産管理システム・製造業向けERP・汎用ERPの管理範囲比較

管理領域 生産管理システム 製造業向けERP 汎用ERP
販売管理 ○ ◎ ◎
購買管理 ○ ◎ ◎
在庫管理 ◎ ◎ ◎
生産計画・MRP ◎ ◎ ○
部品表(BOM) ◎ ◎ ○
工程管理 ◎ ◎ △
原価管理 ○ ◎ ○
会計管理 △ ○ ◎
保守・アフターサービス △ ○ △

◎:標準で対応 ○:製品により対応 △:連携や追加開発で対応

※製品により対応範囲は異なるため、あくまで一般的な傾向です。

生産管理システムについては、次の記事をご参照ください。

生産管理システムとは。その機能と選び方を紹介

生産管理におけるERPシステムの活用については、次の記事をご参照ください。

ERPソリューションで生産管理は可能?両者の違いとERP選定のポイントを解説

製造業がERPシステムを導入するメリット

大きなメリットは、受注・生産・在庫・原価のデータがつながり、利益と進捗を早く正確に把握できるようになることです。経営層は採算の判断が早まり、情報システム部門は運用負荷の軽減につながります。現場では、計画・手配・納期回答の精度向上が期待できます。

同じERPでも、立場によって効果の現れ方は異なります。社内で導入の合意をつくるには、それぞれの立場の言葉で効果を説明できることが欠かせません。以下では3つの立場に分けて整理します。

経営層にとってのメリット:採算を「締める前」に把握しやすくなる

受注・生産・原価のデータがつながると、製品別や案件別の採算を月次の締めを待たずに確認しやすくなります。予算超過の兆しを、手を打てる段階でつかめるようになります。

実績データは、次の見積や価格改定の根拠にもなります。どの製品群で利益が出て、どこで漏れているのか。その判断を、経験や勘ではなくデータで下せるようになります。

情報システム部門にとってのメリット:システムの分断と属人化を減らせる

販売・生産・会計のシステムが部門ごとに分かれていると、それらをつなぐインターフェースの保守が欠かせません。ERPに統合すれば、この連携部分の保守負担を軽減できます。

標準機能を中心に運用できれば、改修の負担も軽くなります。仕様を知る担当者が限られる状態から抜け出しやすくなる点も、長期的には大きな効果です。主要な業務に承認ワークフローを組み込めば、内部統制の強化にも役立ちます。

現場責任者にとってのメリット:計画・手配・納期回答が速く正確になる

在庫や手配の状況を部門をまたいで共有できると、二重入力や確認の電話が減ります。手配漏れや過剰在庫も抑えられます。

受注ごとの進捗を画面で照会できれば、営業は現場に確認しなくても納期の見通しを答えやすくなります。生産管理部門が伝票の処理に追われる状態からも抜け出しやすくなります。

立場別に見るERPシステムの導入効果

立場 導入前のよくある課題 導入後の変化 効果を測る指標の例
経営層
  • 製品別・案件別の利益が、月次の締めや決算のあとでないと分からない。
  • 見積や価格の判断を経験や勘に頼っている。
  • 締めを待たずに採算を確認しやすくなる。
  • 予算超過の兆しを、手を打てる段階でつかめるようになる。
  • 実績データを見積や価格改定に生かせる。
  • 製品別・案件別の粗利率
  • 原価確定までの日数
情報システム部門
  • 販売・生産・会計のシステムが分かれ、連携部分の保守に手間がかかる。
  • 仕様を知る担当者が限られている。
  • システム間の連携が減り、保守の負担が軽くなる。
  • 標準機能を中心に運用でき、改修が減る。
  • 承認ワークフローで内部統制の強化に役立つ。
  • インターフェース数
  • 改修件数
現場責任者
  • 二重入力や確認の電話が多い。
  • 手配漏れや過剰在庫が起きる。
  • 納期回答のたびに、営業から問い合わせが来る。
  • 在庫・手配・進捗の情報を部門をまたいで共有できる。
  • 手配ミスと過剰在庫が減りやすくなる。
  • 営業が画面で納期の見通しを確認しやすくなる。
  • 手配ミス件数
  • 納期回答までの時間
  • 在庫金額

※効果や改善幅は、ERP製品・導入範囲・運用体制により異なります。

生産形態で変わるERPシステムに必要な機能

製造業のERP選びで特に重要なのは、自社の生産形態に合った機能を標準で備えているかです。見込生産では需要予測と在庫補充、受注生産では製番による案件管理、プロセス製造ではロットと配合の管理が中心になります。

生産形態は、計画の起点、部品表の使い方、原価管理の重点を決めます。ここでは代表的な4つの形態ごとに、ERPに求められる機能を整理します。

見込生産(繰返生産)

需要予測や販売計画をもとに、同じ製品を繰り返しつくる形態です。品目単位で在庫を持ち、必要に応じてロット単位でも管理し、MRPで部品を手配します。

原価管理は、標準原価と実際原価の差異を分析し、製造効率を高めることに重点があります。ERPでは、需要予測との連携、MRPによる所要量計算、在庫補充のルールを柔軟に設定できるかを確認します。

受注生産・個別受注生産

顧客の注文を受けてから製造する形態で、個別受注生産では設計から行うこともあります。産業機械、装置、プラント設備などが代表例です。ERP選びで特に難しくなりやすいのが、この形態です。

1つ目のポイントは、品目・BOMを基礎に、製番で案件を管理することです。品目マスタや部品表は、受注生産でも管理の基礎になります。そのうえで製番(製造番号)ごとに部品を手配し、在庫を引き当て、原価を集計します。

2つ目は、個別受注生産では部品表が受注後に固まっていくことです。受注時点で設計が完了していないケースも多く、標準BOMを土台に、設計の進み具合に合わせて製番ごとの部品表が固まっていきます。長納期品は設計完了前に先行手配し、設計変更にも追従する必要があります。

3つ目は、原価管理の重点が採算の判断にあることです。標準原価や過去実績は、見積原価・予定原価の基礎として使います。そのうえで、製番ごとに予定と実績の差を追い、案件の採算を判断することに重心が置かれます。

4つ目は、業務が受注の前後に広がることです。引合・見積の段階から設計が動き、出荷後も保守・定期点検・部品供給が続きます。これらを元の製番にたどれるかで、製品ライフサイクル全体の収益が見えるかどうかが左右されます。

汎用ERPにも、個別受注生産向けのモジュールを備えた製品はあります。適合度は製品と導入設計の組み合わせで変わるため、受注生産に特化した製品も含めて比較するのがおすすめです。

受注生産の効率化の進め方については、こちらの記事をご参照ください。

受注生産で製造業が変わる!効率化と収益向上を実現する導入戦略と実践手法

プロセス製造(ロット生産)

化学、食品、医薬品など、原料を配合・反応させて製品をつくる形態です。部品表に代わる、または部品表をもとにした配合表(レシピ)で、原料と製品の関係を管理します。

ERPでは、原料ロットから製品ロットまで双方向に追跡できるかが重要です。品質検査の記録や有効期限の管理に対応しているかを確認し、副産物や連産品を扱う場合はその扱いにも対応しているかを確認します。

ハイブリッド生産

半製品までは見込で生産し、最終製品は受注に合わせて仕上げる形態です。見込生産品と受注生産品の両方を扱う企業も、ここに含まれます。

ERPでは、見込と受注の手配・在庫・原価をひとつのシステムで扱えるかを確認します。共通部品をフリー在庫で持ちながら、必要な分だけ製番に引き当てる運用ができると、在庫の持ち方に柔軟性を持たせやすくなります。

生産形態別に見るERPシステムの重点比較

比較項目 見込生産 受注生産・個別受注生産 プロセス製造(ロット生産) ハイブリッド生産
代表的な業種 家電、日用品、汎用部品など 産業機械、装置、プラント設備、金型など 化学、食品、医薬品など 標準品と特注品の両方を扱う機械・計測機器メーカーなど
計画の起点 需要予測・販売計画 受注・引合 需要予測・販売計画 半製品は需要予測、最終製品は受注
管理の単位 品目・ロット 製番(案件) ロット・配合 品目・ロットと製番の併用
部品表・配合 標準BOMを継続して使う 標準BOMを土台に、製番別BOMが設計とともに育つ 配合(レシピ)で原料と製品の関係を管理 標準BOMと製番別BOMを併用
原価管理の重点 標準原価と実際原価の差異分析 標準原価や過去実績を基礎に、製番別の予実と採算 原料消費・歩留まりをふまえた原価管理 見込部分は差異分析、受注部分は製番別の予実と採算
ERPで確認したい機能 需要予測との連携
MRPの計算精度
在庫補充ルールの設定
製番別BOMの展開
製番単位の在庫引当・原価集計
先行手配と設計変更への追従
引合から保守までの製番の紐づけ
原料ロットと製品ロットの双方向追跡
品質検査記録・有効期限の管理
副産物・連産品への対応
見込と受注の手配・在庫・原価の一元管理
フリー在庫と製番引当在庫の併用

製造業向けERPシステムの選び方|5つの判断基準

製造業向けERPシステムは、①生産形態への標準機能での適合 ②業務範囲と周辺システム連携 ③原価管理の粒度 ④標準機能でどこまで対応できるかとカスタマイズ方針 ⑤導入・保守体制と提供形態、の5点で比較します。

製品カタログの「製造業対応」という言葉だけでは、自社に合うかどうかは判断できません。ここでは、基準ごとに確認の視点を紹介します。

基準1:自社の生産形態に、標準機能で対応しているか

前章で整理した形態別の機能を、標準で持っているか、設定で対応するか、アドオン開発が必要かを確かめます。ここで費用と導入期間が大きく左右されます。

受注生産なら「標準BOMから製番別BOMを展開し、製番単位で手配・在庫引当・原価集計ができるか」を確認します。プロセス製造なら「原料ロットから製品ロットまで双方向に追えるか」が焦点です。

基準2:どこまでをERPで管理し、どこを連携するか

受注生産では、受注前の引合・見積や、出荷後の保守まで管理範囲に含めるかが論点になります。ERPパッケージのなかには、受注から請求までを標準範囲とする製品もあります。

設計のCADやPLM、製造現場のMES、生産スケジューラとの関係も整理します。すべてをERPで管理する必要はありません。大切なのは、データをどの単位で、どの頻度で受け渡すかを決めておくことです。

基準3:原価をどの粒度で把握できるか

製品別、製番別、工程別など、原価を把握できる粒度は製品によって異なります。標準原価と実際原価を並べて比較できるかも確認します。

もうひとつの物差しが、月次締めから何日後に原価が確定するかです。原価が早く出るほど、価格改定や見積の見直しにすばやく反映しやすくなります。

基準4:標準機能での対応性とカスタマイズの考え方

アドオン開発が増えるほど、費用・導入期間・将来のバージョンアップ負担が大きくなります。自社の業務に合った標準機能をどれだけ備えているかが、総コストを左右します。

ただし、すべてを標準機能に合わせる必要はありません。「業務をシステムに合わせる部分」と「自社の強みとして残す部分」を切り分けることが大切です。画面や帳票を自社で調整できるかも、導入後の使いやすさに大きく影響します。

基準5:導入・保守体制と提供形態

パッケージの開発元と導入ベンダーが別の場合、不具合の切り分けに時間がかかることがあります。開発元が導入・保守まで一貫して担う体制かを確認してください。

製造業の業務を理解したSEがいるか、稼働直後の現場支援があるかも重要です。あわせて、クラウドかオンプレミスか、多拠点・海外拠点への展開(多言語・多通貨)に対応できるかも確かめておきます。

デモには自社の実データを持ち込む

選定で差がつくのが、デモの受け方です。ベンダーが用意したサンプルデータでは、どの製品も滑らかに動いて見えやすくなります。

方法のひとつは、自社で過去に苦労した案件や製品を1件選び、その条件で動かしてもらうことです。

設計変更が多かった案件、原価が膨らんだ製品、品質トラブルで追跡が必要になったロットなどが適しています。

製造業向けERPシステム選定チェックリスト

判断基準 確認ポイント 重要度
基準1 生産形態への標準適合 【受注生産】標準BOMから製番別BOMへの展開、製番単位の在庫引当・原価集計 ◎
【プロセス製造】原料ロットと製品ロットの双方向追跡、配合(レシピ)管理 ◎
【見込生産】需要予測との連携、MRPによる所要量計算、在庫補充ルールの設定 ◎
【ハイブリッド生産】見込と受注の手配・在庫・原価の一元管理、フリー在庫と製番引当在庫の併用 ◎
基準2 業務範囲と周辺システム連携 受注前の引合・見積から、出荷後の保守までを管理できるか ○
CAD・PLM、MES、生産スケジューラ、既存の会計システムとの連携方法 ◎
基準3 原価管理の粒度 製品別・製番別・工程別など、原価を把握できる単位 ◎
月次締めから原価が確定するまでの日数 ○
基準4 対応性とカスタマイズ方針 自社の要件を、標準機能・設定・アドオンのどこまでで対応できるか ◎
画面や帳票を自社で調整できるか、バージョンアップ時のアドオンの扱い ○
基準5 導入・保守体制と提供形態 開発元が導入・保守を一貫して担うか、製造業に詳しいSEがいるか ◎
クラウド・オンプレミスの選択肢、多拠点・海外拠点への対応 ○
総合確認 自社の実データでのデモ実施 ◎

◎:必ず確認したい項目 ○:自社の状況に応じて確認したい項目

※対応範囲や必要な機能は、生産形態、業種、製品構成、運用方針により異なります。

ERPシステム導入の進め方【6ステップ】

ERPシステムの導入は、①目的と評価指標の設定 ②現状業務とコード体系の棚卸し ③要件整理と適合性の確認 ④製品選定 ⑤データ移行と並行稼働 ⑥稼働後の定着と改善、の順に進めます。期間は規模やカスタマイズ量によって変わり、半年から1年以上かかることも珍しくありません。

導入の成否は、製品選びより前の準備段階に大きく左右されます。ここでは各ステップで決めるべきことと、製造業ならではの注意点を紹介します。

ステップ1〜2:目的の明確化と、業務・コード体系の棚卸し

最初に、導入の目的を数字で言えるかたちにします。「システムの老朽化対応」ではなく、「製品別の原価を月次締め後◯日以内に把握する」といった表現です。表②で挙げた指標が参考になります。

次に、現状の業務フローを書き出します。あわせて確認したいのが、品目コード・図番・製番・ロット番号の付け方です。部門ごとにルールが違う場合は、ここで統一方針を決めておきます。

コード体系の整理は地味な作業ですが、後回しにすると移行段階で負担や手戻りが増えます。導入プロジェクトを、必要な範囲で番号の付け方をそろえる機会ととらえると進めやすくなります。

ステップ3〜4:要件整理と製品選定

要件は「現行システムでできていること」の一覧だけから始めないのがコツです。現状のままの再現を目指すと、カスタマイズが増えやすくなります。業務課題を起点に、新しいシステムで何を実現したいかを整理します。

候補製品の標準機能と自社の要件を突き合わせ、合う部分と合わない部分を洗い出します。候補は3〜4製品程度を目安に絞り、5つの判断基準で比較します。

選定には、生産管理や設計の現場キーマンを必ず参加させてください。現場が「自分たちで選んだ」と感じられるかどうかは、稼働後の定着にも大きく影響します。

ステップ5〜6:データ移行・並行稼働と、稼働後の定着

移行で最も難しいのは、動いている最中のデータの扱いです。受注生産なら仕掛中の製番、見込生産なら生産計画と在庫を、どの時点で新システムに切り替えるかを早めに決めておきます。

品目・取引先・部品表などのマスタは、移行前に整備します。必要に応じて一定期間は旧システムと並行稼働させ、在庫・原価・会計残高などが一致するかを検証します。

稼働後は、現場からの質問が増えやすくなります。問い合わせ窓口を用意し、ステップ1で決めた指標を定期的に測って改善につなげます。

ERPシステム導入の6ステップ

ERPシステム導入の6ステップ

古い基幹システムからの移行の進め方については、次の記事もあわせてご参照ください。

【有識者コラム】レガシーシステム刷新・モダナイゼーションを成功させる進め方|方式選定・移行・定着の実践ガイド

製造業のERPシステム導入事例

導入の効果は、原価の見える化と在庫の適正化に表れやすい傾向があります。分析計メーカーの京都電子工業株式会社では、製番管理型のERPへの刷新を機に在庫を2割削減しました。工場全体の原価も、月末の締めから3〜4日で把握できるようになっています。

分析計メーカー:京都電子工業株式会社

課題:同社は、標準品と一点ものの受注品の両方を扱っています。以前は見積書や納品書に「一式」とだけ記載しており、品目ごとの原価や価格を適切に管理できていませんでした。原価と利益が分かるのは決算時だけという状況でした。

現場で製品の軽微な改造を行い、伝票があとから管理部門へ回ってくることも頻繁にありました。その結果、帳簿上の在庫と実際の在庫に大きな差が生じていました。

取り組み:同社は、システムを自社流に合わせるのではなく、業務を見直す方針を掲げました。4社のコンペを経て、原価管理を重視した製番管理システム(現在のBIZXIM製番)を採用しています。受注単位で管理していた同社の仕様に合わせる部分は、カスタマイズで対応しました。

効果:見積書や納品書から「一式」の表記が消え、伝票と実物が別々に動くことがなくなりました。在庫は以前より2割削減され、工場全体の原価は月末締めから3〜4日後に把握できています。部門ごとにばらばらだった製品・部品・図面の番号も、全社で整理されました。

本事例から分かること:効果の源泉は、システムの機能だけではありません。導入を業務と番号体系を見直す機会にしたことが、原価意識の変化や在庫削減につながった一因と考えられます。

本事例の詳細については、次のページをご参照ください。

京都電子工業株式会社 様 | 導入事例 | BIZXIM

その他のBIZXIM製番の導入事例は、次のページをご参照ください。

BIZXIM製番 | 導入事例 | BIZXIM

受注生産型製造業向けERPシステム「BIZXIM製番」

BIZXIM製番は、NTTデータ関西が開発・提供する、受注生産型製造業に特化したERPパッケージです。製番別の階層型部品表を核に、引き合いからアフターサービス、必要に応じて財務管理までを一元管理します。

ユニット・部品・素材の各階層で、原価と進捗を予実管理できます。出荷後の定期点検や保守パーツ、クレーム情報も、元の製番に紐づけて管理できます。

画面レイアウトや帳票は、導入後に自社で調整することも可能です(一部オプション)。多言語・多通貨にも対応しています。

5つの判断基準とBIZXIM製番の対応表

判断基準 確認ポイント BIZXIM製番の対応内容
基準1 生産形態への標準適合 自社の生産形態に必要な機能を、標準で備えているか。 受注生産・個別受注生産向けの標準機能を搭載しています。製番別のストラクチャー型部品表(階層型BOM)を核に、製番単位で業務を管理します。
基準2 業務範囲と周辺システム連携 どこまでをERPで管理し、どこを連携するか。 引合の発生時点から管理を始められます。出荷後のアフターメンテナンス、定期点検、保守パーツ、クレーム、追加導入や更改の履歴まで、元の製番に紐づけて管理します。財務管理オプションを利用すれば、財務会計まで一元管理できます。
基準3 原価管理の粒度 原価をどの単位で、予定と実績を比較しながら把握できるか。 ユニット・部品・素材の各階層で、原価と進捗を予実管理できます。工程面も、「どの工程で、誰が、どの設備を使うか」という単位で把握できます。
基準4 適合率とカスタマイズ方針 標準機能でどこまで対応でき、どこを自社で調整できるか。 受注生産型製造業に特化した標準機能を備えています。画面レイアウトや予備項目はユーザーが自分で設定でき、帳票開発ツールも提供しています(一部オプション)。
基準5 導入・保守体制と提供形態 開発元が導入・保守まで担うか、多拠点・海外に対応できるか。 開発元のNTTデータ関西が、導入から保守までを一貫して担当します。利用している限りサポートを続ける方針です。完全WEB対応で、多言語(日本語・英語・中国語)と多通貨に対応しています。

補足:見積・受注・発注・生産計画・請求などの主要な業務プロセスには、起案・承認のワークフローを備えています。内部統制監査やコンプライアンスへの対応を支援します。

▼BIZXIM製番の詳細について

BIZXIM製番 | APPS | BIZXIM(ビズエクシム) | NTTデータ関西

本製品の担当者インタビューもあわせてご参照ください。

まとめ:製造業のERPシステムは「生産形態への適合」を軸に選ぶ

製造業向けERPシステムは、販売・生産・原価・会計のデータをつなぎ、利益と進捗を早く正確に把握しやすくするための基盤です。

選ぶときは、製品の知名度や「製造業対応」という言葉より、自社の生産形態に標準機能で合うかを確かめてください。

最初から完璧な要件を固める必要はありません。まずは導入の目的を数字で決め、自社の番号の付け方を見直すところから始めてみてください。そして過去に苦労した案件を1件選び、その条件でデモを受けてみる。それだけで、自社に合うERPシステムの輪郭がはっきり見えてきます。

受注生産・個別受注生産の企業で、ERPシステムを具体的に比較したい方は、BIZXIM製番の製品情報もあわせてご覧ください。見込生産と受注生産が混在する場合は、個別の運用要件に照らして適合性をご確認ください。

▼BIZXIM製番の詳細について

BIZXIM製番 | APPS | BIZXIM(ビズエクシム) | NTTデータ関西

化学製造業向けに特化した機能を備えたERPパッケージ「BIZXIM化学」も提供しております。

▼BIZXIM化学の詳細について

BIZXIM化学 | APPS | BIZXIM(ビズエクシム) | NTTデータ関西

また、サプライチェーン全体を対象とするScope3までの製品別のCO2排出量を算出・可視化する「BIZXIM CFP」も提供しております。

製造業のERPシステムに関するよくある質問

Q1. 中小規模の製造業でも、ERPシステムは必要ですか。

A. 規模だけでなく、部門間でデータが分断されているかどうかで判断します。Excelや複数のシステムへの二重入力が多く、原価の把握に時間がかかっている場合は、中小規模でも導入の効果が出やすいといえます。

Q2. ERPシステムの導入費用には、何が含まれますか。

A. 主に、パッケージのライセンス費用、サーバーやクラウドの基盤費用、ミドルウェア費用、導入支援費用、カスタマイズ費用です。導入形態によっては、基盤やミドルウェアの費用が利用料に含まれることもあります。稼働後は、保守・利用料などの継続費用が発生します。

生産管理システムの導入費用と選び方については、次の記事もあわせてご参照ください。

生産管理システムの導入費用は選択要件のひとつ。費用と選び方のポイントについて

Q3. クラウド型とオンプレミス型は、どちらを選ぶべきですか。

A. 初期費用を抑えたい、運用負荷を減らしたい場合はクラウド型が向いています。生産設備や既存システムとの細かな連携、独自のセキュリティ要件がある場合は、要件を満たせるかを確認したうえで、オンプレミス型も含めて比較します。

クラウド型とオンプレミス型の違いや特長については、次の記事をご参照ください。

生産管理システムのクラウド型とオンプレミス型の特徴、クラウドならではのポイントは?