自治体の業務効率化を成果につなげるステップ-標準化後の優先順位と失敗しない進め方

自治体の業務効率化とは、窓口対応から内部事務、システム運用までを対象に、少ない人員でも行政サービスの水準を保てるよう仕事のやり方を組み替える取り組みです。基幹業務システムの標準化は2025年度末に原則の移行期限を迎え、多くの自治体で対応が一区切りついたことで、関心の中心は窓口と内部事務の改革へ移りました。成果を出している自治体には共通点があります。業務を棚卸しして時間を可視化し、件数の多い手続きから着手し、後工程まで含めて設計している点です。
本記事では、効率化が進んでいないケースの原因、着手すべき業務の見きわめ方、実践の5ステップ、先行自治体の数値成果を整理します。
目次
自治体の業務効率化とは|現在地を3つの数字で押さえる
自治体の業務効率化とは、限られた職員数で行政サービスの質を保つために、業務プロセスそのものを見直す取り組みを指します。ツールの導入は手段のひとつであり、目的ではありません。まずは全国の平均的な進み具合を数字で確認し、自庁の立ち位置を客観的につかむところから始めます。
標準化は「終わり」ではなく「起点」に変わった
基幹業務システムの標準化は、原則として2025年度末(2026年3月末)が移行期限とされてきました。ただし、現場の実情は期限で線を引ける状況にありません。
デジタル庁の公表資料によると、2026年3月末時点で移行対象34,366システムのうち、10,013システム(29.1%)が「特定移行支援システム」に該当します。およそ3割が2026年度以降の移行となる計算です。
つまり、標準化対応は今も進行中の課題です。同時に、標準化を機に業務プロセスを見直したかどうかで、この先の負担に差が生まれ始めています。
参考:デジタル庁「地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化」

AI・RPAの導入は広がる一方、規模による差が残る
AIやRPAの活用は、もはや先進自治体だけの話ではありません。総務省の令和7年度調査(2025年10月31日時点)では、AIまたはRPAを導入済みの団体は全体の約68%に達しています。
一方で、規模による開きは残ります。生成AIに絞ると、都道府県・指定都市はいずれも100%が導入済みなのに対し、その他の市区町村は46%にとどまりました(総務省、2026年4月公表)。
差を生んでいるのは技術力ではなく、体制と時間です。専任担当を置けない団体ほど、「導入したいが検討する余力がない」という状態に陥りやすくなります。
参考:総務省「地方自治体におけるAI・RPAの実証実験・導入状況等調査」
自治体によるAIの導入と活用については、次の記事もあわせてご参照ください。
自治体のAI導入と活用はどう進める? 導入手順、注意点、成功事例を解説
「半分の職員数」を前提にした設計思想
総務省の自治体戦略2040構想研究会は、第二次報告(2018年)で「半分の職員数でも担うべき機能が発揮される自治体」という考え方を示しました。
やや極端に聞こえる表現ですが、人を増やして対応する発想から仕組みで吸収する発想へ切り替えるという宣言にあたります。
この前提に立つと、効率化の評価軸も変わります。「便利になったか」ではなく「何時間減ったか」で語れるかどうかが、投資判断の分かれ目になります。
自治体が業務効率化を急ぐ理由|現場を圧迫する3つの構造要因
業務効率化が避けられないのは、人員を確保しづらくなり、経費が膨らみ、住民の期待が上がるという3つの変化が同時に起きているためです。どれも人口減少や社会の変化が背景にあり、ひとつの自治体の努力では限界があります。
課題の性質を正しくつかむと、庁内で予算を通すときの説明も組み立てやすくなります。ここでは、現場の実感と結びつきやすい3点に絞って整理します。
職員は減っても、業務量は減らない
人口減少が進んでも、行政が扱う手続きの種類は増える傾向にあります。給付金、物価高対策、災害対応など、突発的な業務も繰り返し発生します。
結果として、一人あたりの守備範囲だけが広がる状況が生まれます。繁忙期に応援職員をかき集める運用は、その場をしのげても再現性がありません。
運用経費の増加が新しい投資を圧迫する
標準化とガバメントクラウド移行の後、運用経費が想定に反して大幅に増加しているという声が各地で上がっています。国もこの運用経費増加に対する総合的な対策をすでに策定し、補正予算による財政支援も進めています。
固定費が下がらなければ、新しい取り組みの原資は生まれません。だからこそ、効果を数字で示せる領域から着手する順番が重要になります。
政府のクラウド基盤「ガバメントクラウド」については、次の記事をご参照ください。
ガバメントクラウドとは?自治体DX推進に不可欠な基盤への対応ロードマップ
住民の期待値が「民間サービス基準」になった
住民はネット銀行やECでの体験を基準に行政手続きを見ています。平日の日中に窓口へ出向き、紙に手書きする体験は、それだけで不満につながります。
また、窓口の混雑や記入の負担は、職員の説明や補記の手間にもつながります。住民の不便と職員の負担は、多くの場合セットで発生しています。
自治体の業務効率化が進まない5つの原因
効率化が頓挫する原因の多くは、技術ではなく設計と進め方にあります。よくある5つの型を知っておくと、着手前に回避しやすくなります。
自庁の状況に当てはまるものがないか、チェックリストとして読み進めてください。ひとつでも心当たりがあれば、着手順の見直しが必要なサインです。
原因1:部分最適のツール導入で終わる
課ごとに別々のツールを入れると、庁内に小さな島が増えます。データは連携せず、職員はシステムごとにログインし直すことになります。
導入数は増えても総作業時間が減らない。これが部分最適で起きやすいパターンです。
原因2:「入口だけデジタル」で後工程が紙のまま
オンライン申請を始めても、受け付けた内容を職員が基幹システムへ手入力していれば、負担は変わりません。むしろ紙とデジタルの二重管理で増えることもあります。
効率化の成否は、入口ではなく後工程で決まります。審査、決裁、基幹システムへの反映、住民への通知まで含めて初めて効果が出ます。
原因3:効果測定の指標がない
「便利になった気がする」だけでは、次の予算要求を支えられません。着手前の処理時間を測っていなければ、導入後に何が変わったのかを示せないためです。
指標は複雑である必要はありません。1件あたりの処理時間、月間の対象件数、窓口の待ち時間。この3つを着手前に記録しておくだけで、説明の材料は揃います。
原因4:現場の合意形成が後回しになる
情報システム部門が主導して導入を決め、業務所管課が後から知らされる。この順番で進めると、運用開始後に「今までのやり方のほうが早い」という声が出ます。検討の初期段階で担当者に業務の流れを説明してもらう場を設けると、設計の精度も上がります。
原因5:調達と予算のサイクルにしばられる
年度単位の予算では、試しながら直していく進め方が取りにくくなります。仕様を固めきってから調達すると、運用開始後の修正に追加費用と時間がかかるためです。
効率化が停滞する原因と早期発見のサイン
| 原因 | 現場に現れるサイン | 打ち手の方向性 |
|---|---|---|
| 1. 部分最適のツール導入で終わる |
|
データ連携できるかを選定の必須条件にする。 |
| 2. 入口だけデジタルで後工程が紙のまま |
|
申請から通知までを一気通貫で設計する。 |
| 3. 効果測定の指標がない |
|
着手前に処理時間と件数を計測する。 |
| 4. 現場の合意形成が後回しになる |
|
業務所管課を検討の初期段階から巻き込む。 |
| 5. 調達と予算のサイクルにしばられる |
|
段階導入を前提に仕様と契約を組む。 |
自治体の業務効率化を実現する5つのステップ
効率化は、可視化→対象の選定→設計→試行→効果測定という順番で進めると成果が出ます。順番を飛ばすと、導入したのに時間が減らない状態に陥ります。
ここからは、それぞれのステップを順に見ていきます。各ステップで何を進め、何が手元に残るのかを書き添えました。
ステップ1:業務の棚卸しと時間の可視化
最初にやるべきは、ツール選びではなく現状の計測です。手続きごとに「年間件数」「1件あたりの処理時間」「関与する職員数」を洗い出します。
厳密な計測は必要なく、担当者の体感値を集めるだけでも削減余地の大きい業務の絞り込みには十分です。ただし、最終的な効果測定の基準値とする場合は、後日あらためて実測値で置き換えることが望ましいです。
成果物は、手続き別の年間投入時間一覧です。これが後の効果測定の基準値になります。
ステップ2:効果の大きい手続きから選ぶ
対象は「件数が多い × 1件あたりの手間が大きい × 定型的」の3条件で絞ります。転入・転出関連、子育て支援、各種証明の交付、イベント申込などが候補になりやすい領域です。
逆に、判断の余地が大きい業務や年数件しかない手続きは、後回しで問題ありません。最初の1件で成果が出ると、次に取り組む部署のハードルが下がります。
ステップ3:申請から通知までを一気通貫で設計する
ここが最も重要な工程です。住民が申請してから、審査、決裁、基幹システムへの反映、結果の通知に至るまでを1本の流れとして描きます。
そのうえで、手入力・紙の出力・部署間の受け渡しが発生する箇所をすべて洗い出します。ここが削減の候補です。
マイナポータル(ぴったりサービス)経由の申請データを基幹システムへ自動連携する仕組みや、通知をデジタルで届ける仕組みは、この工程の負担を大きく下げます。
行政手続きの一気通貫化

ステップ4:小さく始めて庁内に横展開する
全庁一斉ではなく、1〜2種類の手続きで試すのが現実的です。試行段階で運用ルールと問い合わせ対応の型をつくり、それを他部署へ渡します。
このとき、成功事例だけでなく「つまずいた点」も共有すると横展開が早まります。同じ壁に他部署もぶつかりやすいためです。
ステップ5:効果を数値で残し、次の予算につなげる
ステップ1で測った基準値と比較し、削減時間・オンライン利用率・待ち時間の変化を記録します。数字が残れば、次の投資の説明材料になります。
効果測定は、担当者が異動しても取り組みが続くための保険にもなります。
どの業務から着手すべきか|優先順位の決め方
着手順は、フロントヤード(住民接点)とバックヤード(内部事務)を分けて考え、それぞれで「件数 × 手間 × 定型度」の高い業務から選ぶのが基本です。
総務省の自治体DX推進計画でも、この2領域をデータ連携で一体的に進める方向性が示されています。片方だけ手を入れても、効果は限定的にとどまります。
フロントヤード:窓口と申請の負担を減らす
代表的な取り組みが「手続きのオンライン化」と「書かないワンストップ窓口」です。来庁予約と組み合わせると、繁忙期の混雑が目に見えて変わります。ただし、オンライン化の効果は手続きの数だけでは測れません。同じ電子申請でも、職員の作業がどれだけ減るかは設計によって大きく変わります。
●茨城県笠間市 事例
茨城県笠間市では、茨城県笠間市は、電子申請サービス「e-TUMO APPLY」で約140種類の手続きをオンライン化し、年間およそ8,000件を受け付けています。新型コロナワクチンの接種予約では、電話受付時に発生していた聞き取りや入力作業をオンライン化することで、職員の事務負担を軽減しました。
さらに、同市はぴったりサービスとのAPI連携も導入し、受け付けたデータを基幹系システムへ自動連携し、申請受付後の処理まで含めた効率化を実現しています。
フロントヤードの見直しは、住民の利便性と職員の負担軽減が同時に進みます。
茨城県笠間市の事例については、下記をご参照ください。
窓口業務の効率化については、次の記事もご参照ください。
窓口DXで実現する住民サービス改革 ~先進事例に学ぶ、効果的な自治体DX推進のポイント~
バックヤード:AIを活用して記録・文書作成の負担を減らす
議事録作成、文書の下書き、照会回答、データ入力といった業務は、AIやRPAを活用しやすく、庁内の判断で始めやすい領域です。
近年は、こうした活用に加え、面談後の記録作成などの職員の負担が大きい業務にも広がっています。生活保護や児童相談などの面談業務では、聞き取りと記録を1人の職員が担うため、記録の作成が後回しになりがちです。
こうした面談業務の負担軽減にAIを活用した例が、岩手県一関市の取り組みです。
●岩手県一関市 事例
岩手県一関市では、生活保護の訪問面談時の記録や、面談後の報告書作成に多くの負担がかかっていました。そこで、同市は、NTTデータ関西のスマート面談AIナビ「AiBou」を活用し、面談内容の文字起こしや報告書案の作成を自動化することで、職員が記録作業に追われず、相談者との対話に集中しやすい環境を整えました。
その結果、報告書の作成時間は50〜60%削減されました。職員の80%が市民の話を深く聞けるようになったと回答し、市民側も82%が担当職員と話しやすくなったと回答しています。
負担軽減と住民サービスの質が、同じ取り組みで両立した例です。詳しくは、同市へのインタビュー記事でも紹介しています。
優先順位は「効果 × 実現しやすさ」で決める
候補が複数ある場合は、2軸で並べ替えます。効果(削減時間×年間件数)と実現しやすさ(制度制約の少なさ、関係部署の数、既存システムとの接続性)です。
効果が大きく実現しやすい業務が最優先。効果は大きいが難しい業務は、体制を整えてから第2段階で取り組みます。
業務領域別の優先順位判断表
| 業務 | 領域 | 年間件数の目安 | 定型度 | 削減効果 | 実現しやすさ | 推奨着手時期 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 転入・転出手続き | フロント | 高 | 中 | 高 | 中 | 第1段階 |
| 子育て関連の給付申請 | フロント | 中 | 高 | 高 | 高 | 第1段階 |
| 各種証明書の交付 | フロント | 高 | 高 | 中 | 高 | 第1段階 |
| 施設・イベント予約 | フロント | 中 | 高 | 中 | 高 | 第1段階 |
| 給付金事業 | フロント | 高 | 中 | 高 | 低 | 第2段階 |
| 議事録作成 | バック | 中 | 高 | 中 | 高 | 第1段階 |
| 庁内照会・回答 | バック | 高 | 中 | 中 | 中 | 第2段階 |
| データ入力・転記 | バック | 高 | 高 | 高 | 中 | 第1段階 |
手段の使い分け|「知る・申請する・処理される」の3局面で考える
1件の手続きが完了するまでの流れは、「知る」「申請する」「処理される」の3局面に分かれます。電子申請は申請の受付、マイナポータル連携は受け付けた申請データの基幹システムへの自動連携による庁内処理の効率化、住民ポータルは対象者への周知と、それぞれ別の局面を受け持ちます。着手する業務が決まったら、次はどの手段で実現するかです。ここで手段を1つだけ選ぶと、他の局面が手つかずのまま残ります。3つの役割の違いを整理しておきます。
電子申請:手続きをオンラインで受け付ける入口
24時間365日、パソコンやスマートフォンから申請できる環境を整えます。電子署名やキャッシュレス決済に対応していれば、対象にできる手続きの幅が広がります。
選定時の着眼点は、手続きの追加や様式の修正を職員が管理画面上で完結できるかどうかです。項目の追加や文言の修正のたびに事業者への発注が必要な仕組みでは、制度改正のたびに費用と時間がかかります。
電子申請システムについては、こちらの記事もご参照ください。
申請管理システムで自治体DXを加速。導入効果と選定ポイントを解説。
マイナポータル連携:後工程の手入力をなくす仕組み
ぴったりサービス経由で受け付けた申請データを、基幹業務システムへ自動連携する仕組みです。ここがつながっていないと、オンライン化しても職員の入力作業は残ります。
標準化対応と並行して検討する場合は、デジタル庁の標準仕様に準拠しているかを必ず確認します。
マイナポータルとの連携については、次の記事もご参照ください。
マイナポータル連携で実現する自治体DX! 導入手順から運用までの実践ガイド
住民ポータル:手続きの存在を「届ける」役割
制度をつくっても、住民が知らなければ利用されません。属性に応じて必要な情報を届けるアプリがあれば、全戸配布に伴う紙のコストを抑えられるほか、中長期的には住民からの定型的な問い合わせ対応の負担も軽減できます。
給付金事業のように対象者への確実な周知が必要な場面では、この差が事務量に直結します。
アプリを活用した情報共有の取り組みについては、次の記事も参考にしてください。
【事例あり】自治体が活用するスマートフォン用アプリとは?メリットや課題と対応策も解説
導入前に確認したい4つのチェックポイント
選定の判断軸は、次の4点です。
- 後工程までつながるか
- 職員だけで運用を回せるか
- 費用が手続き数に連動しないか
- セキュリティ要件を満たすか
機能一覧の比較だけでは、運用が始まってからの差は見抜けません。以下の観点を仕様書と提案依頼に盛り込んでおくと、導入後の手戻りを防げます。
1. 基幹システムまでデータがつながるか
「申請を受け付けられる」と「基幹システムに反映される」は別の話です。連携の可否と方式を、必ず具体的に確認します。
2. 手続きの追加・変更を職員で完結できるか
制度改正のたびに事業者への依頼と費用が発生する仕組みは、長期的に負担が積み上がります。画面上で手続きを作成・修正できるかを確認します。
3. 費用が手続き数やライセンス数に連動していないか
手続き数に応じた課金だと、オンライン化を増やすほど費用が上がるため、対象手続きの拡大が進みにくくなるおそれがあります。年間の申請件数など、手続き数に依存しないシンプルな料金体系であれば、庁内で導入を広げやすくなると考えられます。
4. LGWAN・セキュリティ要件に適合しているか
LGWAN-ASPとしての提供実績や、クラウドセキュリティに関する第三者認証の取得状況を確認します。庁内の情報セキュリティ部門との調整も早めに始めます。
自治体の業務効率化を支える3つのサービス
入口・後工程・届ける力をそれぞれ担うサービスを組み合わせると、部分最適に陥らずに効率化を進められます。
NTTデータ関西では、自治体の業務効率化を工程ごとに支える3つのサービスを提供しています。すでに動いている取り組みに、必要な部分だけ足す形での導入も可能です。
電子申請サービス「e-TUMO APPLY」|入口を整える
地方公共団体では大小問わず幅広い自治体に導入されており、近年では自治体だけでなく、省庁にも採用されている電子申請サービスです。住民や事業者は、パソコンやスマートフォンから24時間365日いつでも申請できます。
負担が減るのは受付だけではありません。軽微な不備なら差し戻さずに担当者が直せる「職権訂正」、個別の返信文書をまとめて交付する「大量一括処理」、決裁後の公印を電子で付与する「職責署名」など、申請を受け付けた後の職員の作業を減らす機能がそろっています。
料金は年間申請件数の帯域に応じた体系のため、想定件数の範囲内であれば、作成する手続き数やライセンス数を増やしても追加費用が発生せず、庁内で横展開しやすい仕組みです。
電子申請サービス「e-TUMO APPLY」|NTTデータ関西
「申請管理システム」|後工程の手入力をなくす
ぴったりサービスやマイナポータルから届いた申請データを、自治体の基幹システムへ一気通貫で自動連携する仕組みです。2025年4月からはデジタル庁の標準仕様に準拠した政令市対応版の提供を開始しました。
申請の受付から手続き情報の管理、審査までを一元化できるため、紙運用の削減と職員の作業時間短縮に直結します。ガバメントクラウド環境にも対応しており、標準化対応と並行して検討できる点も特徴です。
スマートシティポータルアプリ「EYE-Portal」|必要な人に届ける
住民一人ひとりの属性に応じて、必要な地域情報や行政サービスを届けるアプリです。マイナンバーカードによる本人確認に対応し、物価高騰対策などの支援給付を申請から受け取りまでアプリを通じてオンライン上で完結できます。
自治体側では、申請受付から審査、給付までの業務をデジタル化することで、紙書類の確認やデータ入力などの事務負担を軽減できます。さらに、住民への案内をアプリのプッシュ通知で配信できるため、周知漏れを抑えながら、迅速に給付を届けることができます。
スマートシティポータルアプリ EYE-Portal|NTTデータ関西
まとめ|効率化の成否は「後工程」で決まる
自治体の業務効率化で成果が分かれるのは、入口をデジタル化した後の設計です。申請、審査、基幹システムへの反映、通知までを1本の流れとして描けているかどうかが、削減時間の差になります。
進め方は5ステップに整理できます。業務を棚卸しして時間を可視化し、効果の大きい手続きを選び、一気通貫で設計し、小さく始めて庁内に横展開し、数字で残す。この5つを押さえておくと検討の抜けに気づきやすくなります。
2026年度は、標準化対応が続くなかで窓口改革とAI活用が同時に求められる、負担の大きい時期です。すべてを自庁だけで抱え込む必要はありません。工程ごとに実績のあるサービスを組み合わせれば、着手のハードルは大きく下がります。
自庁の課題がどの工程にあるのか整理したい方は、ぜひ一度ご相談ください。現状の業務フローをうかがったうえで、優先して着手すべき領域と、そこに適した進め方をご提案します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 自治体の業務効率化は、まず何から始めればよいですか
まず決めておきたいのが、どの範囲を対象にするかです。全庁を一度に見ようとすると棚卸しだけで年度の大半を使ってしまいます。まずは件数の多い1〜2課に絞り、その範囲で手続きごとの年間件数と処理時間を洗い出します。対象が決まれば、削減余地の大きい業務は自然と浮かび上がります。
Q2. 小規模の自治体で専任の担当者がいなくても業務効率化は進められますか
兼任の担当者が1人でも、対象をひとつの手続きに絞れば着手できます。実際、電子申請サービスでは簡単な手続きなら30分ほどで作成できます。都道府県の支援制度や近隣自治体との共同調達を使えば、調達の負担も抑えられます。
Q3. 標準化対応で手一杯です。並行して進めるべきでしょうか
並行して検討する価値があります。標準化は業務プロセスを見直す機会でもあるためです。特にマイナポータル連携は、標準準拠システムへの移行と設計上の接点が多く、後から追加するより効率的に組み込めます。
Q4. 効果はどのように測定すればよいですか
着手前の処理時間を基準値として記録しておき、導入後に同じ指標で比較します。削減時間、オンライン申請率、窓口の待ち時間の3つを押さえると、庁内向けの説明資料をつくりやすくなります。
Q5. 生成AIの導入とシステム導入は、どちらを優先すべきですか
目的が異なるため、優先順位は課題によって変わります。定型的な文書作成や要約の負担が大きいなら生成AI、申請受付や基幹システムへの入力作業が重いならシステム連携が先です。時間の可視化を行えば、どちらが効くかが見えてきます。
Q6. 費用対効果を庁内でどう説明すればよいですか
削減時間を人件費に換算し、複数年での累積効果として示す方法が一般的です。あわせて、住民の待ち時間短縮や問い合わせ件数の減少といった数値で示せる効果も添えると、説得力が増します。










