photo
電話予約の手間や窓口の待ち時間を
ネット予約システムによって解消
職員の働き方改革にも貢献

大阪市と京都市のちょうど中間に位置する、大阪府高槻市。都心へのアクセスの良さと自然の豊かさを兼ね備えた高槻市は、約35万人の市民への行政サービス向上を目指し、NTTデータ関西の電子申請サービス「e-TUMO APPLY」を2010年に導入しました。さらに2020年には、汎用予約サービス「e-TUMO RESERVE」の利用も開始。昨今では、市民へのサービスや、自治体の業務にDXの波が押し寄せるなか、高槻市はNTTデータ関西が提供している両サービスを用いて、市民満足度の向上と職員の業務効率化に取り組んでいます。

課題

行政サービスの事前予約や来訪時に、市民の負担が多い。

子育て関連部署の窓口の対応業務が煩雑化している。

コロナ禍で行政が発行する書類が増え、効率的に対応する仕組みが必要。

効果

  • 市役所の窓口を訪れる市民の負担が軽減

    オンライン子育て相談など、事前予約が必要な行政サービスへの予約がホームページ上で可能に。
    市民は時間の制約なく、いつでも予約の申込みができるようになり、市役所を訪れた際の窓口の混雑も緩和された。
  • 正確で効率良く業務ができるようになり、効率が上昇
    予約に際して電話で市民から聞き取っていた情報は、すべて市民本人がネットで入力するようになった。聞き取りの時間が削減されただけでなく、聞き間違いや記載間違いもなくなったため、業務の効率が大幅に上がり、職員が住民と向き合う時間を増やすことができた。
  • コロナ禍の行政手続きにスピーディーに対応
    ワクチン接種券等の発行申請などにあたっては、電子申請サービス「e-TUMO APPLY」を活用。「すぐに、いくつでも申請フォームを作成できる」という特性を活かし、目まぐるしく変わる状況に対してスピーディーに接種券発行等の受付体制を整えることができた。

e-TUMOの利用状況は?

横山氏

2010年に導入した電子申請サービス「e-TUMO APPLY」は、今や職員の間にすっかり根付いています。私たち情報部門を介さずに各部署が直接、自分たちの作りたい申請フォームを作ることができる点が非常に便利で、各部署の職員が必要に応じて自由に申請フォームを作って公開してくれています。イベントへの参加申し込み、水道の開閉栓、ごみの持ち込み申請、あるいは住民アンケートなど、申請フォームの内容はさまざまです。ここ数年では、新型コロナウイルスの影響でワクチン接種関係を担当する部署や保健所など、以前はあまり利用のなかった部署による利用も増えました。
2020年に利用を開始した汎用予約サービス「e-TUMO RESERVE」は、現在は主に子ども関係の部署による利用が多く、妊娠届の窓口予約やオンラインによる子育て相談や保育施設に関する説明会への参加予約などに用いています。

中村氏

直近の2021年度で、最も電子申請サービスが利用されたのは新型コロナウイルス関連の申請です。「接種券を送ってほしい」「自宅療養の証明書が欲しい」などの市民からの要望に対しては、電子申請サービスでお答えすることができました。

e-TUMOの利用によって、どのような効果を感じていますか?

中村氏

汎用予約サービスの利用を始めた子ども関係の部署は、以前から残業の多さが課題になっていました。窓口へ相談に来られる保護者の方などの事情や要望も個別に異なるので、それらに対応するには、必然的に時間がかかります。職員の負担も大きいですし、来訪いただいた方には順番待ちをしてもらうことも少なからずありました。それがネット予約により、職員の負担は大幅に減少。窓口での待ち時間も減り、市民からも好評の声をいただきました。

横山氏

システムを利用する前は、基本的に電話で予約を受け付けていました。希望の日時を聞き、その日時に予約の空きがあるかを確認し、なければ別の日時を案内。そうして日程を決めたうえで名前や住所をうかがうというプロセスでした。これには当然、時間がかかるので、市民にも職員にも負担になります。市役所の執務時間しか予約を受け付けることができませんから、日中は仕事などで忙しい方にとっての利便性は高くありません。それがネット予約により、24時間365日、いつでも予約できるようになりました。
また、電話での聞き取り間違いや聞き取った内容の記入間違いという、ミスが発生する可能性もあります。これもネット予約では申込者ご本人が記入されるので、ミスの可能性は抑えられます。入力した内容はCSVダウンロードして利用できるので、転記作業の手間とそこで起こりえる転記間違いも削減できます。これらの結果、業務は大幅に効率化。課題であった残業も削減され、働き方改革にシステムが貢献してくれることになりました。

中村氏

電子申請サービスでは新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、自治体が市民に発行する証明書などの数は大幅に増えました。一方で、人との接触や密になることを避けなければいけないなか、市役所窓口で混雑を発生させるわけにはいきません。この難しい状況を乗り切るために、電子申請サービスは大きな役割を果たしてくれました。
特にありがたいのが、担当部署の職員自身が申請フォームを作り、市民向けに公開できるという点です。コロナへの対応は、めまぐるしく状況が変わっていきました。国の方針決定などによって、「明日からでも申請を受け付ける必要がある」といった場面もありました。そういったとき、担当部署がフォームを作ることで、すぐに申請の受付体制を構築することができたのです。このスピード感は、非常に心強いです。また、この3年間で追加された機能を改めて確認すると、「機能の進化・発展を続ける」というNTTデータ関西のポリシーを感じています。

横山氏

システムに付随するサービスとして、NTTデータ関西のヘルプデスクも、フォーム作成の促進に役立っています。画面の操作方法やフォームの作り方など職員からの質問を、以前は私たち情報部門が対応していました。その役割を、ヘルプデスクが担ってくれるようになったのです。おかげで私たちは、市役所全体の情報システムのことなど、よりコアな業務に集中しやすくなりました。NTTデータ関西の電子申請サービスは、定期的な機能の向上だけでなく、サービス内容でも電子申請の促進を支えてくれています。情報部門としては、そういったうれしい変化もありました。

今後の課題・目標は?

中村氏

予約システムが、市民へのサービス向上と職員の残業削減という、2つの面で効果を発揮することを実体験できました。予約システムの利用を他部署に広げていき、同様の効果を生み出していくことが目標の1つです。

横山氏

今以上にe-TUMOの存在と利便性を職員に案内し、活用を促進していきたいです。市役所では、申請や予約をはじめ、市民からの何らかのアクションを受け付ける場面がたくさんあります。そのときに職員が、「この業務にはe-TUMOが使えるかもしれない」と思ってもらえるようにしたいです。

中村氏

電子申請サービスには、「できない」のではなく、職員が「やっていいのか判断に迷う」から実施していない手続きがあると思います。法律などの解釈次第で、申請を電子化していいのか悩ましい手続きも数多くあるのです。自治体によって電子申請を受け付ける・受け付けないの判断が分かれている印鑑証明書の発行がその代表例です。そういった悩みを解消するために、NTTデータ関西からは他の自治体の取り組み例などの情報をより多くいただき、関連する職員へイメージがつきやすいように伝えていきたいです。その結果として、より多くの手続きをネットでも行えるようにし、市民の利便性と職員の業務効率を高めていきたいです。

高槻市様